ヨーロッパでは「小麦肌」が羨望の的
確かに筆者の住むヨーロッパでは、シミ・シワ・ソバカスの3点セットがどれだけ増えようが、こんがりと焼けたセクシーな肌は「リッチなバカンスを享受できるぜいたくさの象徴」「アクティブなアウトドア派(=魅力的)」と捉えられており、日焼けのデメリットを補って余りある存在です。そんな理由から小麦肌は男女問わず羨望のまなざしで見られるものなので、日本人の白肌信仰は不思議で仕方ないのでしょう。
それに対して、古くから「色の白いは七難隠す」と言われるように、一点の曇りもない明るい肌を崇める日本人。この美的感覚に何か理由があるのか考察してみました。
日本人の意外なパーソナルカラー
ここ数年で日本でも認知度が上がったパーソナルカラー概念ですが、これは「第三者から見てその人に似合う色」を診断する方法。生まれ持った髪・肌・目の色などから春夏秋冬の4タイプを中心に、似合う色が導き出されます。筆者を診断してくれたベテラン講師(誤診者の駆け込み寺的存在です)によると、一般的には日本人に少ないとされるウィンタータイプが実は結構多いとのこと。
ウィンタータイプとは、「ブルーベースの色が似合う」「ハリ・コシ・艶のある太くて多い黒髪」「白眼と黒眼の境がくっきりしている」「血色感のない肌」などの特徴を持ち、白・黒などを筆頭にコントラスト配色がとても似合う肌タイプとされます。
つまりカラーリング技術が導入される以前の日本では、「黒髪×白肌」のコントラストが映えるウィンタータイプの女性が美しく見えたことから、白肌が美の象徴となったのかもしれません。