「おばさん」は若さ至上主義の副産物?
そもそも英語やドイツ語などのヨーロッパ言語で「おばさん」という、中年女性を年齢でディスるような表現はほとんど聞いたことがありません。
映画『007』のボンドガールとして知られるモニカ・ベルッチや、同じく映画『トップガン マーヴェリック』でトム・クルーズのガールフレンド役を演じたジェニファー・コネリー、Netflixの人気ドラマ『エミリー、パリへ行く』で主人公の艶やかな上司役をこなすフィリッピーヌ・ルロワ=ボーリューのように、セクシーな役どころを現役で演じる50歳以上の女性俳優は日本では稀有ではないでしょうか。
また、それに対して「おばさん」と揶揄(やゆ)するようなコメントが付くのも容易に想像できます。
年配者=地味色の服が適切?
服装においても、年を重ねた日本人女性は着物であれ洋服であれ華やかな色味は控えて地味で目立たない色を(=恋愛市場からの退場勧告)という通念があるようにも思います。何歳になっても派手なビキニ姿でビーチに寝そべるヨーロッパ女性と比べると、何かと肩身が狭いのではないでしょうか。
「若い女性」に価値が偏重しがちな社会では、粗が少なく、若見えする白肌に人気が出るのもまた不思議ではありません。
いろいろな理由が重なっての白肌信仰と思われますが、年齢を重ねてもきれいな日本人女性の肌がヨーロッパで称賛されているのも事実ですので、ぜひこのまま大切に美肌を極めていただきたいと思います。
この記事の筆者:ライジンガー 真樹
元CAのスイス在住ライター。日本人にとっては不可思議に映る外国人の言動や、海外から見ると実は面白い国ニッポンにフォーカスしたカルチャーショック解説を中心に執筆。All About「オーストリア」ガイド。