劇団の演技指導に“虐待”と厳しい声が。「恐怖で支配する演出方法しか出来ないですか?」「これ大丈夫?」

九州を拠点に活動している演劇ユニット・陽project(ヒザシプロジェクト)が5月3日に公式Xで公開した動画が反響を呼んでいます。「虐待」という厳しい声も上がりました。(サムネイル画像出典:陽project(ヒザシプロジェクト)公式YouTubeより)

演出家のシマハラヒデキさんが発足し、九州を拠点に活動している演劇ユニット・陽project(ヒザシプロジェクト)が5月3日に公式X(旧Twitter)で、シマハラさんの稽古に密着した動画を公開。かなり厳しい声も含め、賛否両論の反響を呼んでいます。

【実際の投稿:演劇ユニットが公開した動画に賛否両論】

「こんなことが罷り通っていてはいけない」

同アカウントは「【10歳子役】最後にまさかの挑戦。『年齢じゃないから。甘えないで。』 一切妥協しない稽古場に密着」とつづり、YouTubeで公開されている動画のダイジェスト版を1本載せています。シマハラさんが子どもに演技指導をしている姿です。かなり厳しい声で指導しています。

この動画がネット上では賛否両論を呼ぶ事態に。

俳優専門言語コーチ・演技コーチのTomo Kawaguchiさんは、

これは、演出ではありません。虐待です。恐怖で支配する演出方法しか出来ないですか? 子役の親御さま達も、考え直してください。俳優を怒鳴りつけ、心を傷つける指導が、どんなに精神を痛めつけているか。10年たっても心は回復しません。学びの場は、選んでください


と厳しく指摘。またアメリカを拠点に活動する俳優の松崎悠希さんも、

これは「演出」ではなく「虐待」。子役に怒鳴るということは演出家が「演出」を知らないからであり、本来「ダメ出し」されるべきは「演出家シマハラ」の方。こんな酷い環境でしか芝居学ぶ機会がない俳優が本当にかわいそう。っていうかこの時代にパワハラや虐待の美談化、キモいよ。アホじゃないの?


とかなり厳しく意見を寄せています。ほかにも、

こんなことが罷り通っていてはいけない。

とりあえず国連他国内外の子どもの人権機関に報告させてもらいました

愛ある指導、躾という言葉でくるんでも、暴力・虐待であることには変わりない

これ大丈夫? 虐待映像公開しちゃってるけど…


などの声が。また「気になったので前編見た。本当にたくさんのことを思ったし、一筋縄ではいかない態度で向き合わないといけないので簡単に感想を書いたりはできない」という意見の人もいました。

長文で声明を出す

今回の反響に関し、同アカウントは以下のように声明を発表。

ご意見をいただいております。切り抜きゆえに全貌が伝わりきらず不愉快な思いや、ご心配をおかけした皆様には大変申し訳ございません。

しかしながら、この日の稽古はアクションの基礎を稽古する日において、10歳の少女は危険な為見学をしていた所 先輩達の頑張りを見て「自分も稽古がしたい」と”泣きながら”共演者に相談したところから始まっております

そしてさらに、親のように自分を愛してくれた人が死ぬかもしれないと、芝居で更に涙を流します 是非youtubeで全編をご覧ください

確かに語彙が強い部分、そんなに熱くならなくても言葉は通じると思われる部分はあるかもしれません ですが私たちは私たちなりの正解を求め、お客様の生きる力を届ける為邁進しております

今回の参加者も過去のドキュメンタリーを見たうえで、このような現場であること、本人、そして保護者様が納得の上参加してくれています

これまでも私たちの舞台を見て「イジメに立ち向かえるようになった」「不登校だった子が学校に行けるようになった」「引っ込み思案だった子が率先して発表するようになった」「怖がっていた手術を受けることができた」等お言葉をもらっています

子供達に演劇を通して心豊かに育ってもらう為、代表がスタッフワークを9つも掛け持ちし、経費を削減しながら一人親世帯や親がなく育児院で生活する子供達等の無料招待を行っております

代表個人としても、一表現者として、見に来てくださったお客様の力になれるように誕生日の子の親御様からDMがあればBIRTHDAY動画を必ず送り ファンの子供の卒業式などの行事にも行ける限り顔を出すボランティアも行っております

お客様を、そして子供をこよなく愛し、その為に誠心誠意活動しております 批判的にとらえていらっしゃる皆様 是非一度私たちの舞台を、そしてロビーにあふれる子供たちの笑顔を見ていただければ幸いです


それでも、「精神的に追い込む事をしていいのは自分だけです。他人が、ましてや大人が子供に対してしてはいけない」などと非難の声は鳴りやみません。劇団側からしたらおそらく“予想外の反応”となった今回の事態。子どもたちが恐怖を感じることなく演技ができるよう、世間からの声はしっかり受け止めて、今後に生かしてほしいですね。
 
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