アジア人シェフとしてフランスで初めてミシュラン三つ星を獲得した小林圭シェフは、現在も自身の名前を冠したパリの「Restaurant KEI」で腕を振るっていますが、2024年1月、パリまで旅せずとも小林シェフの世界観を味わえる「Héritage by Kei Kobayashi(エリタージュ バイ ケイ コバヤシ)」が、ザ・リッツ・カールトン東京にオープンしました。
東京初店舗となる小林シェフ監修のフレンチレストラン。一体どんな空間が広がっているのでしょう。光栄にも取材させていただきました!
六本木上空45階からの絶景に包まれて
小林圭シェフの「遺産」
店名の「Héritage(エリタージュ)」は、フランス語で遺産・継承という意味。世界に通じる料理としてフランス人が創り出した「遺産=フランス料理」を次の世代へつないでいきたいという思いがこもった名前です。正統派のフランス料理という土台を大切にしつつ、“現代風”をエッセンスに加えた見目麗しいメニューが次々に登場します。この日いただいたランチコースは次の通り。
・Amuse Bouche
千葉県 銚子産 蛤の香草パン粉焼き水牛モッツァレラチーズとセミドライトマトのピザ仕立て
さわやかなセロリのシャーベット
・牛コンソメスープ ポルト酒の香り
・五島列島 シマアジのタルタル仕立て レモンの泡とブラックオリーブのクランブル
・ロワール産ホワイトアスパラガス ブラッドオレンジのサバイヨンソース
アートのような美しいメニューを……!
パリの小林シェフの思いを、六本木で具現化するのは料理長・村島輝樹シェフ。3カ月間パリの小林シェフの店でみっちり研修を受けたそうですが、そもそも同世代で、若い頃パリで修行した時期も重なることから、小林シェフの考えや指示も直感的に受け取ることができるそう。まさにあうんの呼吸で小林シェフが思い描く料理、空間、サービスをゲストに届けています。サーブされた時はまるでアートのような美しさのメニューが多いのですが、スタッフからは「惜しげなくしっかり混ぜて、今の原型をなくしてください」という非情(笑)なアドバイスが。もったいないなぁと思いつつ意を決して混ぜ、口に含むと、最高の味わいが訪れるのです。“映え第一”になりがちな昨今のグルメですが、“味第一”という当たり前なことを大事にしている姿勢が心に響きます。
ランチは1万1800円から、ディナー2万4800円から(税・サービス料込)。決してリーズナブルではありませんが、海外旅行が難しい今、パリへ行かずとも小林シェフの世界観を五感で味わえ、さらに絶景も満喫できるとあって、お得とすら感じてしまう特別なレストランでした。
<DATA>
Héritage by Kei Kobayashi
住所:東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン ザ・リッツ・カールトン東京 45F
電話:03-6434-8711
営業時間:
ランチ12:00~16:00 (最終入店 L.O. 13:30)
ディナー18:00~22:30 (最終入店 L.O. 20:00)
定休日:毎週火曜・水曜
この記事の執筆者:藤丸 由華 プロフィール
東京のラジオ局のアナウンサー時代を含め約30年、東京にこだわった取材を敢行。取材した都内のスポットは2000以上。2008年に独立し、現在はAll About東京ガイド、フリーアナウンサー、2足のわらじで活動。