ビジネスで使う「あいみつ(相見積もり)」の意味とは? 使い方や断り方、マナーを解説

複数の企業や業者から同時に見積もりを取る「あいみつ」。今回は、あいみつのメリットや、あいみつを取る際のマナーなどを、具体的な例文も交えて、現役フリーアナウンサーの酒井千佳が解説します。

ビジネスで使う「あいみつ(相見積もり)」の意味とは? 使い方や断り方、マナーを解説
ビジネスで使う「あいみつ(相見積もり)」の意味とは? 使い方や断り方、マナーを解説

ビジネスにおいて、適正な取引を行うために行われる「あいみつ」。これは「相見積もり」を略した言葉で、複数の企業や業者から同時に見積もりを取ることを意味します。今回は、あいみつのメリットや、あいみつを取る際のマナーなどを、具体的な例文も交えて、現役フリーアナウンサーの酒井千佳が解説します。

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<目次>
「あいみつ(相見積もり)」の意味とは
ビジネスで「あいみつ」を取るメリット
「あいみつ」の使い方と例文
まとめ

「あいみつ(相見積もり)」の意味とは

「あいみつ」というのは「相見積もり(合見積もりとも)」の略称です。新規で仕事を発注したり、仕入れを行いたい場合などに、複数の業者に同時に見積もりを出してもらうことを意味します。企業が、自社にとって最適な取引を行うために、仕入れや業務の発注の際にあいみつを取るほか、日常生活の中でも、自動車や家電などの買い取り、家を建てる際の建築業者の選定など、さまざまな場面であいみつを取ることがあります。

ビジネスで「あいみつ」を取るメリット

特にビジネスにおいて、「あいみつ」を取ることには次のようなメリットがあります。

適正価格を知り最適な業者やサービスを選べる

複数の企業、業者からあいみつを取ることによって、どのような商品・サービスがどのくらいの価格で提供されているのかという、市場の適正価格を把握することができます。また、価格だけでなく、企業・業者ごとの特色や対応の仕方なども比較することができますので、自社の状況に最も適した取引先を選定することができるようになります。会社にとってより良い条件で取引を進めるためにもあいみつを取ることは重要です。

企業におけるガバナンスを強化できる

あいみつを取ることは公正な取引につながり、コーポレートガバナンスを強化する役割も果たします。複数の取引先から見積もりを取り検討する体制を構築することにより、取引担当者が特定の企業や業者と癒着関係になるのを防ぐことができます。取引額が大きかったり、事業規模が大きなものであるほど、公正な取引を行うためにもあいみつを取ることが推奨されます。

「あいみつ」の使い方と例文

ここからは、「あいみつ」の具体的な使い方を例文とともにご紹介します。

あいみつの指示を出す場合

【例文】
「今月中にあいみつを取っておいてください」
「あいみつを取る業者を選定してください」
これは、あいみつを取るために指示を出す場合の例文です。効果的に相見積もりを取るためには、期限や条件、依頼先などを事前に社内で整理しておくと良いでしょう。

あいみつを依頼された場合

【例文】
「今回はあいみつなので、可能な限り価格を抑えて提案しよう」
あいみつを依頼された場合は、通常の見積もりと違い競合がいるということになります。実際の取引に結び付けるためには、サービスや価格などの面で他社よりも魅力的な提案をすることが求められます。

「あいみつ」を取る際に注意すべきマナー

適正な価格と最適な条件で取引を行うために、あいみつを取ることは重要ですが、相手企業と良好な関係を維持し円滑に取引を進めるために気を付けるべきマナーがいくつかあります。

相見積もりであることを事前に伝える

あいみつを取るうえで最も重要なマナーは、複数企業・業者に見積もりを依頼していることを事前に伝えることです。企業によっては、見積もりの作成は取引が行われることが前提となっている場合もあります。あいみつを取るということは、最終的に選択する企業以外は断ることになりますので、事前にあいみつである旨を確認しておかなければ、自社の信用を落としてしまうことにもつながりかねません。互いの信頼関係を損なわないためにも、事前にしっかりと確認しておきましょう。

条件をそろえる

公正にあいみつを取るためには、各企業や業者に対して同じ条件で見積もりを依頼することも重要です。相手先によって条件を変えると、提案される見積もりにも差が出てしまいます。納期や予算、求めるサービス、重視するポイントなどをしっかりとまとめ、同じ条件で一律に依頼することにより、適正に比較できるようになります。

断りの連絡をいれる

あいみつを依頼した場合、見積もりを出してもらったものの、実際には取引をしない業者が複数出ることになります。そうした業者に対しては、必ず断りの連絡をいれることも重要なマナーです。その際には、取引を見送ることへのお詫びに加えて、見積もり作成をしてくれたことへの感謝や、断る判断に至った理由や経緯、また今後の取引につながる一言を添えることが重要です。以下に、断りをいれる場合の例文を示します。

【例文】
平素より大変お世話になっております。
株式会社〇〇の△△でございます。

先日はお見積書をご提出いただき、誠にありがとうございました。 
ご提案を社内で検討いたしましたが、費用面での折り合いがつかず、今回はお取引を見送らせていただくこととなりました。
ご多忙の中ご対応いただいたにもかかわらず、誠に申し訳ございません。

また機会がございましたらお声かけさせていただければと存じます。
その際は、何卒よろしくお願い申し上げます。

まとめ

「あいみつ」は「相見積もり(合見積もり)」を省略した言葉で、複数の企業や業者から見積もりを取ることを意味します。自社にとって最適な取引を行うためには、複数の見積もりを取り比較することは非常に重要です。実際にあいみつを取る際には、自社の信頼を損なわず円滑に取引をすすめられるよう、マナーにもご留意ください。

■執筆者プロフィール
酒井千佳
酒井 千佳(さかい ちか)
フリーキャスター、気象予報士、保育士。
京都大学 工学部建築学科卒業。北陸放送アナウンサー、テレビ大阪アナウンサーを経て2012年よりフリーキャスターに。NHK『おはよう日本』、フジテレビ『Live news it』、読売テレビ『ミヤネ屋』などで気象キャスターを務めた。現在は株式会社トウキト代表として陶芸の普及に努めているほか、2歳からの空の教室「そらり」を主宰、子どもの防災教育にも携わっている。
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