そんなWi-Fiルーターの買い替えについて、LAN/無線LANの専門家で「All About」ガイドの岡田庄司が解説します。
(今回の質問)
Wi-Fiルーターの寿命ってどれくらい? 買い替えを検討するべきサインは?
(回答)
ネットが遅いと感じたら、買い換え時期です。一般的には、3年以上同じ機種を使っていれば要検討です。
Wi-Fi 4は極端に遅いので買い替えを検討すべし
Wi-Fiルーターの置き場所を変えたり、ルーターを買い替えることで、ネットの速度が改善される場合があります。実際に筆者の知り合いでも、Wi-Fiルーターを買い替えたことでネットの速度が大幅に改善されたそうです。現在のWi-Fiルーターは、Wi-Fi 7/Wi-Fi 6E/Wi-Fi 6/Wi-Fi 5/Wi-Fi 4……とさまざまですが、このうちWi-Fi 7/Wi-Fi 6Eは、まだ対応端末が少なく、あまり一般的ではないので除外し、Wi-Fi 6/Wi-Fi 5/Wi-Fi 4を比較してみましょう。
もちろん、先を見越して少々高価ですがWi-Fi 7対応のルーターを購入しておくということもよいでしょう。
iPhone 11以降であればWi-Fi 6に対応
いくらWi-Fiルーターを高速なものにしても、接続するスマートフォンが対応していなければ、意味がありません。とはいっても、例えば5Gに対応するスマートフォンであれば、ほぼ例外なくWi-Fi 6を利用できます。スマートフォンは、2年ほどたつとバッテリーの持ちが悪くなるので、機種を交換する人が多いでしょう。そのような人は、Wi-Fi 6対応のスマートフォンを所有していると思います。スマートフォンは、2~3年に1度買い替えるけれども、Wi-Fiルーターは、そのまま利用しているというパターンが案外多いのではないでしょうか? 1度チェックしてみましょう。
「帯域幅」と「ストリーム数」が重要
Wi-Fiルーターの実際の速度を決める要素として、帯域幅とストリーム数があります。ストリーム数とは、通信経路の本数で、帯域幅は1ストリームあたりの広さを意味します。広い道路を何本も通せば輸送量が増えるように、帯域幅とストリーム数の掛け算によって多くのデータを送受信できるのです。このとき、Wi-Fi5よりWi-Fi6の方が帯域幅もストリーム数も多くなる傾向にあるので、上位規格の方がより高速で快適な通信を実現することができます。
古いマンションでは効果がない場合も……
自宅のマンションが光対応でも、相応の速度がでない場合があります。それは、マンションの共用スペースに引き込んだ光回線を各戸で共有する方式に、「光配線方式」「LAN配線方式」「VDSL方式」の3つの方式があるからです。■光配線方式:自分の部屋まで光回線で配信される。
電柱---光---(共用スぺース)---光----(各戸)
■LAN配線方式:共有スペース以降は、LANケーブルで配信される。
電柱---光---(共用スぺース)---LANケーブル----(各戸)
■VDSL方式:共有スペース以降は、かつて敷設された電話回線で配信される
電柱---光---(共用スぺース)---電話回線----(各戸)
このうち、光配線方式やLAN配線方式ではなく、VDSL方式で配信されている場合は実効速度が100Mbps以下になることもあり、Wi-Fiルーターを交換しても、全く変わらない場合が多いと思われます。Wi-Fiルーターを交換する前に光回線を各戸で共有する方式をチェックしてみてください。
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この記事の筆者:岡田 庄司
ライター歴は20年以上。パソコン通信時代からネットワークに興味を持ち、LANや無線LANが一般に普及する前からLANの話題を追いかけ続けている。著作はすでに40冊を超え、テクニカルライターとしても活動している。
ライター歴は20年以上。パソコン通信時代からネットワークに興味を持ち、LANや無線LANが一般に普及する前からLANの話題を追いかけ続けている。著作はすでに40冊を超え、テクニカルライターとしても活動している。