ソロで“新たな挑戦”を続ける2人
そんなとんねるずですが、徐々に番組も減り続け、『とんねるずのみなさんのおかげでした』が終了すると各マスコミが2人に対して「時代が終わった」と報道し始めます。2人の横暴とも取れる芸風が視聴者から飽きられ、パワハラ的な笑いが時代に合わなくなった、というのが「オワコン化」の理由。確かに、ライバルであるダウンタウンもそれまでの暴力的な表現のコントや企画を改め、芸能界全体がとんねるずの作り出す笑いに合わなくなり始めていたのは事実です。ならばと、活動の場所を2人は変え始めていきます。
まず、木梨さんは個展『木梨憲武展 Timing -瞬間の光り-』の開催に代表されるアート活動や、歌手として音楽フェスなどを実施。特に、アーティストとして多くのファンを魅了し、コロナ禍もありながら2018年にスタートした『木梨憲武展 Timing -瞬間の光り-』は累計入場者数が122万人を突破しています。
また、2024年に入ると俳優業を復活させ、『春になったら』(関西テレビ・フジテレビ系)で主演を担当。等身大の演技で高評価を得ています。
石橋さんに関しては、2020年6月にYouTubeチャンネル「貴ちゃんねるず」を開設すると、テレビプロデューサーのマッコイ斎藤さんとのコンビで名企画を連発。現在でも人気は続き、YouTuberとしての素質も見せます。
さらに、最近ではネット配信のABEMAでいくつかの番組に出演。テレビではなくネットを主戦場として、しっかりと実績を出すことに成功しています。
『とんねるず THE LIVE』では何が起こる?
ここ数年は個人での活躍が目立ったとんねるずが、本格的にコンビとしてファンの前に立つ『とんねるず THE LIVE』。果たして、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか、推測してみたいと思います。このイベントのPR用リリース文では、「二人のライブを開催したいというフジテレビのスタッフの熱意と、石橋貴明、木梨憲武の想いが合致し、約6年の年月を経て今年ついに実現」と書かれています。
フジテレビの全面バックアップとなるライブであり、ヒット曲の歌唱はもちろんのこと、往年の番組に関連した企画の披露も期待されます。また、過去に『とんねるずのみなさんのおかげです』シリーズでは、多くの芸能人やミュージシャンをゲストに呼んでいたので、同窓会的なイベントになる可能性が大。このイベントが成功すれば、ダウンタウンの松本人志さんが性加害疑惑で長期休業中なだけに、とんねるずが再ブレークしフジテレビで番組を持つなんてことも夢ではありません。
オワコンと言われながらも、日本武道館で『とんねるず THE LIVE』というサプライズを仕掛けたとんねるず。かつて、テレビのバラエティを作り出してきた2人が、ソロ活動期間を経て、令和の時代にも新しい形で大暴れする姿を、われわれ往年のファンとしても見たいところです。
この記事の筆者:ゆるま 小林
長年にわたってテレビ局でバラエティ番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。