ヒナタカの雑食系映画論 第86回

ツッコミどころ満載で愛される『名探偵コナン 紺青の拳』、気になる5つのシーンを全力でツッコんでみた

金曜ロードショーで放送される『名探偵コナン 紺青の拳』の、大好きなツッコミどころをあげていきましょう。ファンの期待に応えていることは掛け値なしに称賛できますよ。(※サムネイル画像出典:(c)2019 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会)

3:テーザー銃で撃ってくることを「まさか」と言う怪盗キッド

宝石・紺青の拳を盗みにやって来た怪盗キッドは、テーザー銃で撃たれ、なぜか「まさか、テーザー銃で撃ってくるとは……」と言います。いや、撃つだろ! 宝石を盗みに来た泥棒は! むしろ本物の銃じゃないだけいい方だよ!
 
そんなキッドは、今度は本物の銃に撃たれて血を流し、「上等だ、面白くなってきやがったじゃねえか」とつぶやいていたりしますが、コナンの前で包帯を巻いた後は、特にダメージはなさそうに空を飛びまくり、大活躍していました。

なんか、キッドにとっては死ぬ可能性大の本物の銃よりも、電流ビリビリのテーザー銃の方が脅威だと思っている節があるんですけど……なんで?

4:戦闘能力を封じ込められるもスーパーサイヤ人のように力を解放する京極さん

今回の大きな見どころは、恋人の園子を守ろうと奮闘する空手家の京極さんの格好良さ、そして人間離れした戦闘能力でしょう。
 
例えば、園子が「世界中のどんな女性も彼にかかればハートを盗まれるのよ!」などと怪盗キッドの魅力を語っていることに嫉妬した京極さんは、片手で支えていた甲冑の剣を握りつぶしてしまうのです。それ、アルミ缶とかじゃないよ。

ほかにも、キッドとの戦いの最中にコナンが蹴った超威力のサッカーボールを打ち返したり、空手の試合で相手を場外どころか数メートル吹っ飛ばしたり、なぜか三節棍(さんせつこん)を武器にするチンピラと戦ったりと大活躍の京極さんでしたが、園子が交通事故に遭ってしまった時には深く落ち込みます。

そこで実業家で犯罪行動心理学者のレオンは、「ミサンガのようなもの」を京極さんに渡し、「君の拳が危険を呼び、愛する人が傷つくかもしれない」「君にはまだ、拳をふるう心・技・体が備わっていない」「これが切れたら、心・技・体が備わったと神に認められた証」「だが、切れる前に拳をふるえば……分かっているよね?」などと宣言します。
 
クライマックスでは、コナンが「残っているじゃあねえか、一発逆転の奥の手が!」と言い、キッドも「なるほどな」と納得すると、キッドはトランプ銃の最後の1発でそのミサンガ(?)をピンポイントで撃って切り、京極さんは赤いオーラを放ちつつ本来の力を取り戻し、海賊たちと空手大会の優勝者と戦うのでした。

うん……犯罪行動心理学者ってそんなこともできるんだ……それを京極さんも信じて力を封じ込められるんだ(詐欺に遭わないように気を付けてね)……そんなピンポイントの的によくトランプを当てられたな……京極さんって、本来の力を取り戻すとスーパーサイヤ人みたいなエフェクトかかるんだ……。

……などと遠い目になるツッコミどころのコンボのおかげで、めまいがしてくるほどですが、京極さんにとっては戦う相手のはずだったキッドが、反対にライバルを覚醒させる立場になる、というのはアツい展開ではないですか(無理やりな擁護)! あと蘭も相変わらず海賊を7、8人は体1つで倒していて強すぎる!

ちなみに、「その場にいなかったキッドがなぜ京極さんのミサンガのことを知っているの?」と思う人もいるかもしれませんが、一連のシーンをよく見ると、キッドは「清掃員に変装して」話を聞いていたことが分かります(その直後にキッドが包帯を巻きながらコナンと話すシーンで、すぐそばに清掃員の服とモップが置かれている)。一応はツッコミどころを解消する努力もしているのです(そのほかが強引すぎるけど)。
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