今回のテーマは「転職時期」についてです。
(質問)
突然、異動の辞令が……。望まない異動で転職を考えているのですが、転職しやすい時期はあるのでしょうか?
(回答)
まずは辞令を受け入れる余地がないかを検討してみましょう。もし転職の意志が固いなら上司に相談してみるのもおすすめです。また「求人が増える時期」や「転職者が増える時期」はあるものの、「転職しやすい時期」は基本的にありません。自身が転職したいと思った時がベストタイミングです。
詳しくは、以下で解説します。
まずは異動先でポジティブに働く方法を模索して
突然の辞令、しかも予想も希望もしていない部署ではびっくりするものですよね。でも、一度ポジティブに捉え、異動先の部署で働くことも検討してみませんか。実際に異動してみたら、自身のキャリアにプラスになることがあるかもしれません。本来であれば、異動直前や異動直後の転職はお世話になった会社に迷惑となる場合があるため、礼儀としても避けた方がいいです。それでも、どうしても受け入れられないのであれば、転職の意志があることも含めて上司と話し合ってみましょう。
一度出た辞令が取り消されることはまれですが、上司に相談することで前向きに働ける方法が見つかるかもしれません。
「自身が転職したい時」がベストタイミング
結論から言うと、「転職しやすい時期」というのは特にありません。というのも、以前は決まった時期に中途採用をおこなう大手企業もありましたが、現在はニーズが発生したタイミングで採用をおこなうのが一般的だからです。次年度の採用計画が決まり、今年度の採用予算も使い切りたいという企業側の意欲が高まる3~4月、9~10月は求人数が増える傾向がありますが、要件を下げてまで採用したいと思っている企業はほとんどありません。またどんなに求人数が多くとも、最終的に入社する企業は1社です。
このことからも、自身が「転職したい」と思った時が1番のタイミングと言えるでしょう。
目先の損得より長期的な視点で判断してみよう
とはいえ、社会人1年目の転職はあまりおすすめできません。中途採用にはある程度の社会人経験が求められるため、できるかぎり現職で1年程度の経験を積んでから転職することを考えましょう。一方、ある程度の社会人経験を積み、長期就業の可能性の高い25~28歳はかなり売り手市場となります。未経験でもポテンシャルで採用される可能性が高く、転職を有利に進められる傾向があります。
また、人によっては「現職でボーナスをもらってから転職したい」と考える人もいるかもしれません。実際にボーナスシーズンや異動シーズンは転職者が増える傾向があり、その分ライバルも増えてしまう時期です。現職でのボーナスのタイミングを重視するあまり、自分に合う優良企業を逃してしまってはもったいないですし、新たな企業に早く入社した方がトータルでの収入はアップするケースも多く見受けられます。
時期を計算して転職を考えるよりも、「転職したい」と思った時、「ここが良い!」と思える企業に出会えた時が転職のベストタイミングと言えるでしょう。
この記事の筆者:三ツ橋 りさ
2006年4月、株式会社キャリアデザインセンターに入社。転職情報誌『Womantype』の編集を経て、転職サイト『女の転職@type(現・女の転職type)』のUI/UX改善やサイトリニューアルなどに従事。13年4月~15年12月まで『女の転職@type(現・女の転職type)』の編集長に就任。産育休を経て16年11月より転職サイト『@type(現・type)』の編集長として復職。19年10月より2度目の産育休を取得し、21年5月に復職。21年6月から『type』編集長に就任し現在に至る。