ビジネス用語「NR」の意味とは? 例文や対義語も解説

「NR」とは、「No Return(戻らない)」、つまり「直帰」という意味。そのほかにも業界によっては「返品不可」や「ノイズ軽減」などの意味があります。「NR」の意味や対義語、「NR」の使い方や例文を解説します。

ビジネス用語「NR」の意味とは?
ビジネス用語「NR」の意味とは?

「NR」は、日常生活ではあまり見慣れない言葉ですが、ビジネスシーンではたびたび使われている言葉です。チャットやメールなどでのやりとりが増えるにつれて、見る機会も増えたのではないでしょうか。本記事では、「NR」の意味や類語、実際の「NR」の使い方や例文などについて、現役フリーアナウンサーの新保友映が解説していきます。ビジネスシーンで使う「NR」以外の略語もご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

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<目次>
ビジネス用語「NR」の意味
「NR」の対義語
ビジネスシーンにおける「NR」の使い方・例文
ビジネスシーンで使う「NR」以外の略語一覧
まとめ

ビジネス用語「NR」の意味

「NR」とは、「No Return(戻らない)」、つまり「直帰」という意味を表します。出張や外回りなどで外出している際に、会社には戻らずにそのまま帰宅することを指します。また、そのほかにも業界によっては「返品不可」や「ノイズ軽減」などの意味があります。

「NR」の対義語

「直帰(外出先から会社を介さず帰宅すること)」を意味する「NR」に対し、「直行(自宅から会社を介さず先方のもとへ向かうこと)」を意味するビジネス用語もあります。それぞれの意味と、使い方を解説していきます。

・GS(Go Straight)
1つ目は「GS(Go Straight)」です。直訳すると「真っすぐ向かう」という意味です。「NR(No Return)」の対義語としては、最もポピュラーな表現でしょう。使い方は以下の通りです。

【例文】
(前日の退社時に、会社のホワイトボードに記入)
「6/24 〇〇商談 GS 山田」

・GD(Go Direct)
2つ目は「GD(Go Direct)」です。直訳すると「直接向かう」という意味です。「GS(Go Straight)」ほどではありませんが、こちらもたびたび見られる表現です。使い方は以下の通りです。

【例文】
(ビジネスチャットアプリなどのステータス欄に)
「6/24 〇〇GD」

ビジネスシーンにおける「NR」の使い方・例文

ビジネスシーンにおける「NR」には、先述したようにいくつかの使い方が存在します。使われる業界や職種によって、以下のように意味が異なります。

・営業が「直帰」すること
・通信販売で「返品不可」のこと
・IT業界における「ノイズの軽減」のこと

・営業が「直帰」すること
一般的なビジネスシーンで使われる「NR」は、「直帰」を意味します。国語辞典を参照すると、「直帰」は「職場で社員が訪問先から社へ戻らずにそのまま自宅へ帰ること」とあります。外出することが多い営業職などの人は、頻繁に耳にすることがあるかもしれません。上司や同僚に対して連絡することはもちろんのこと、外出する前に自ら社内のホワイトボードなどへ書き込むといった伝達方法もあります。後者であれば、前置きもなくアルファベット2文字を書くだけで済むでしょう。

・通信販売で「返品不可」のこと
ネットショップなどの通信販売分野でも「NR」を目にすることがあるかもしれません。この場合のNRとは「Non-Returnable」の略語であり、「返品不可」を意味します。日本国内での浸透率は低く、大抵の場合は「返品不可」と日本語で表記してあります。しかし、サイトによっては「NR」を採用している場合もあるため、インターネットが普及した今、知っておいて損はないでしょう。また、「NR」の表記が小さく掲載されている場合があるため、注意しましょう。なお、英語圏では「Non-Returnable」で「返品不可」のほかに「使い捨て」といった意味もあるようです。前後の文脈や状況に応じて、混同しないように気をつけてください。

・IT業界における「ノイズの軽減」のこと
IT業界における「NR」とは、「Noise Reduction(ノイズリダクション)」の略語で、文字通り「Noise(ノイズ)をReduction(リダクション=縮小・補正)すること」という意味があります。動画やラジオなどのノイズを軽減したり、補正処理したりすることを指します。

また、場合によっては処理機器自体を示すこともあります。近年ではデジタルカメラやスマートフォンなどの技術・クオリティも格段に上昇しています。今や「Reduction(リダクション=縮小・補正)」を超えて「Cancelling(キャンセリング=除去・取消)」を行うイヤホンなども見られます。

ビジネスシーンで使う「NR」以外の略語一覧

ビジネスシーンでは、より速く簡潔に意味を伝達できるように、「NR」以外にもさまざまな略語が用いられています。また、略語の傾向もひと昔前とは異なっているのが特徴です。「口頭で短く」ではなく、「文字面を短く」が最近のトレンドです。タイピングやフリック入力などを意識した結果と言えるでしょう。今回は、頻繁に用いられる以下3つの略語をご紹介します。

・MGR(Manager)
・PJT(Project)
・MTG(Meeting)

・MGR(Manager)
「MGR」とは「Manager(マネージャー)」を意味する略語です。たとえば「MGR会議」という表現であれば、マネージャー同士の集まりや、マネージャーによる会議を指すことになります。また、「斉藤MGR」のように人名の後に付けて使われることもあります。この場合は、斉藤さんがマネージャーであることを示しています。職位を併記したい場面や、同姓の人間が同部署にいる場合などに便利な表現と言えるでしょう。

・PJT(Project)
「PJT」とは「Project(プロジェクト)」の略語であり、こちらもビジネスシーンで広く使用されています。プロジェクトは特定の目標を達成するために一連の活動を行う取り組みのことです。プロジェクトは、目標の明確化、タスクの割り当て、スケジュールの策定、リソース管理など、さまざまな側面を含み、そして長期化するのが基本です。そのため、手帳やスマートフォンのカレンダーに記入することも多く、アルファベット3文字で表せる利便性から広く使われています。

関連記事:リソースの意味とは? ビジネスでの使い方や種類、リソース管理のメリット

・MTG(Meeting)
「MTG」とは「Meeting(ミーティング)」の略語です。ビジネスシーンにおいて広く使われており、主に会社内での打ち合わせや会議を指します。ミーティングは意思疎通や意見交換の場だけでなく、参加者の共同作業や意見の統合の場でもあり、これがない会社はほとんどないでしょう。プロジェクトの進捗状況の共有や、目標を達成するための計画や戦略立案の場としても重要で、頻度が多いことから略語化に至ったと考えられます。こちらもアルファベット3文字で手帳やカレンダーアプリにすっきり収めやすく、ほかの略語とも区別しやすい略語と言えるでしょう。

まとめ

ビジネスシーンでの「NR」は、主に「No Return(直帰)」を意味します。ただし、通信販売では「Non-Returnable(返品不可)」、IT業界では「Noise Reduction(ノイズリダクション)」など、業界によって意味する言葉が異なることもあります。使用場面や相手の職種などによって、「NR」の示す意味を捉えましょう。

■執筆者プロフィール
新保友映
新保 友映(しんぼ ともえ)
山口県岩国市出身。青山学院大学卒業後、2003年にアナウンサーとしてニッポン放送に入社。『オールナイトニッポンGOLD』のパーソナリティをはじめ、『ニッポン放送ショウアップナイター』やニュース情報番組、音楽番組など担当。2018年ニッポン放送退社後はフリーアナウンサーとして、ラジオにとどまらず、各種司会、トークショーMC、YouTube、Podcast、話し方講師など幅広く活動。科学でいじめのない世界をつくる「BE A HEROプロジェクト」特任研究員として、子どもたちの授業や大人向け講座の講師も担当している。
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