【ラー博】連日スープ切れで15時閉店。岩手の人気店「らーめんの千草」が“初代の味”でラー博に

新横浜ラーメン博物館「あの銘店をもう一度“銘店シリーズ”」第29弾は、岩手・久慈「らーめんの千草」が出店。創業75年の人気店の3代目が、原点回帰として初代ラーメンの味を再現します。

丸鶏と鶏ガラのみでつくる純鶏スープ

丸鶏と鶏ガラのみのスープ
丸鶏と鶏ガラのみでとるスープ

「らーめんの千草」のスープに使われているのは、丸鶏と鶏ガラのみ。一般的にラーメンに使用される、ネギ、ショウガ、ニンニクといった香味野菜までも一切使用しない、純粋な鶏だけのスープです。

そのおいしさの決め手は、使用されている鶏にあります。通常、ラーメンに使用される鶏は生後45~55日で出荷されるブロイラーですが、千草では生後550~700日で出荷される生産量の少ない青森県産大型鶏を使用しています。飼育日数が長いため余分な肉がつかず赤身が多く、ブロイラーに比べ旨み成分も約1.5倍も含まれており、その旨みがスープのコクとなっています。

丸鶏の肉の部分とガラを別々の寸胴でとり、濁らないよう「ほほ笑むような火加減」でじっくり煮込み、最後にブレンドします。1回のスープに使われる鶏の量は、なんと約150羽分(300杯分)。ラーメン1杯のスープに半羽の鶏が使用されている計算になります。

黄金色の鶏油(ちーゆ)が他にはない味の決め手
黄金色の鶏油(ちーゆ)が他にはない味の決め手

スープの表面はキラキラ光る黄金色の鶏油(ちーゆ)で覆われており、どこか懐かしくもあり、他のラーメンにはない珍しい香りを放ちます。

白っぽく、かん水が少なめの自家製麺
白っぽく、かん水が少なめの自家製麺

千草の麺は白っぽく、かん水が少なめの中細麺。“純鶏”スープとの相性はバツグンで、するするとのどを通ります。

今回の出店では初代の味の復活に挑戦

3代目が初代のラーメンを再現
3代目が初代のラーメンを再現

今回のラー博出店では、原点回帰として初代の味を再現します。古い常連さんから「あのころのラーメンを味わいたい」という声が年々増え、圭介さん自身も初代の味はどういうものなのか? と興味がわき、自分でもつくってみたい、食べてみたいという思いになったとのことです。2代目や常連さんから初代のラーメンの味を聞き込み、研究に研究を重ねました。

今よりも輪郭のあるスープ
今よりも輪郭のあるスープ

その結果、スープの作り方自体は現在と大きく変わらないものの、今の味が優しいのに対し、昔の味は今よりも輪郭があり、ライスが欲しくなる味わいだったことが分かりました。

スープの濃度を上げ、タレの旨味を増し、鶏油の量も増やし、より輪郭のあるラーメンに仕上がっているとのことです。

今回の出店では、千草の原点となるラーメンを食べられる貴重な機会となるでしょう。出店期間は、2024年3月6日~4月7日です。

「あの銘店をもう一度」情報

期間:2022年7月1日~約2年間(銘店シリーズ各店約3週間/94年組シリーズ各店約3カ月)
場所:新横浜ラーメン博物館
期間中出店数:約40店舗(現店舗除く)
“94年組”第6弾:博多「一風堂1994」2024年2月9日~5月12日(予定)
第29弾:岩手・久慈「らーめんの千草」3月6日~4月7日

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この記事の執筆者:田辺 紫 プロフィール
神奈川県在住コピーライター。2001年2月より総合情報サイト「All About」で横浜ガイドを務める。2009年4月、第3回かながわ検定 横浜ライセンス1級取得。「横浜ウォッチャー」として、ブログ、SNSを運営。

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