【ラー博】連日スープ切れで15時閉店。岩手の人気店「らーめんの千草」が“初代の味”でラー博に

新横浜ラーメン博物館「あの銘店をもう一度“銘店シリーズ”」第29弾は、岩手・久慈「らーめんの千草」が出店。創業75年の人気店の3代目が、原点回帰として初代ラーメンの味を再現します。

新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)が2024年3月6日に迎える30周年に向けて、2022年7月1日からスタートした「あの銘店をもう一度」プロジェクト。いよいよ大詰めを迎えます。

「あの銘店をもう一度“銘店シリーズ”」を締めくくる第29弾(2024年3月6日~4月7日)には、岩手・久慈「らーめんの千草」が出店。鶏100%の“純鶏”スープのラーメンが味わえます。

創業75周年を迎えた「らーめんの千草」の歴史

「千草食堂」時代の丼で作ったラーメン
「千草食堂」時代の丼で作った初代の味を再現したラーメン

「らーめんの千草」の創業は1948年。戦前は酪農家を営んでいた遠藤正夫さん、レイさん夫妻が隣町で流行っていた支那そばをみて、これなら私たちにもできるのではと「千草食堂」を開業したのが始まりです。

創業者の遠藤正夫さん、レイさん夫妻
創業者・遠藤正夫さん、レイさん夫妻

「らーめんの千草」の特徴は鶏100%の“純鶏”スープ。そのルーツはレイさんの実家、岩手県葛巻町で振るまわれていたキジ汁だったようです。キジ汁は「そば」ですが、これをラーメンにしてはどうか、という発想が始まりでした。

創業当時、麺は毎朝一番列車で青森県の八戸まで買出しに行っていたようです。創業から数年後のある日、製麺風景を見てこれならば自分にもできるのではないかと、東京から製麺機を取り寄せ、自己流で作るようになりました。

2代目がラーメンづくりに没頭し「らーめんの千草」に

2代目・遠藤勝さん
2代目・遠藤勝さん

2代目となる遠藤勝さんは服部料理専門学校卒業後、都内のレストランで修業、1966年から「千草食堂」で働き始めます。「岩手で1番になりたい」という思いが強かったといいます。

その思いはラーメンづくりへと注がれ、久慈でラーメンといえば「千草」というくらい、地元で有名になりました。連日スープ切れが続いたため、営業時間は15:00まで、店名も現在の屋号となる「らーめんの千草」に変更しました。

2023年に75周年を迎えた「らーめんの千草」
2023年に75周年を迎えた「らーめんの千草」本店外観

2023年に75周年を迎えた「らーめんの千草」。その味は3代目となる遠藤圭介さんへと引き継がれています。圭介さんは1998年ごろから店に入るようになり、2004年3月のラー博出店時には責任者として腕を振るいました(2005年11月にラー博を卒業)。

3代目・遠藤圭介さん
3代目・遠藤圭介さん
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1杯に半羽分! 「らーめんの千草」のスープは鶏100%
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