レッドオーシャンの意味とは? ブルーオーシャンとの違いや使用例、メリット・デメリットを解説

競争相手が多い市場をレッドオーシャンといい、反対にライバル企業の少ない市場をブルーオーシャンと呼びます。レッドオーシャンとブルーオーシャンの違いやメリット・デメリット、戦略のポイントについて徹底解説します。

レッドオーシャンとは
レッドオーシャンとは? 意味や使い方を解説

「レッドオーシャン」とは、競争相手が非常に多く、企業同士の争いが激化している既存市場のことをいいます。当然その中から勝ち抜くのは簡単なことではなく、メリットやデメリットを理解した上で参入を検討する必要があります。本記事では、現役フリーアナウンサーの新保友映が「レッドオーシャン」の意味やブルーオーシャンとの違い、さらにメリット・デメリットや戦略のポイントまで徹底解説します。

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<目次>
「レッドオーシャン」の意味とは
「ブルーオーシャン」の意味とは
「レッドオーシャン」の使い方と例文
レッドオーシャン戦略のメリット
レッドオーシャン戦略のデメリット
レッドオーシャン戦略のポイント
レッドオーシャンの企業の成功事例
まとめ

「レッドオーシャン」の意味とは

「レッドオーシャン」とは、すでに数多くの企業が参入し、激しい価格競争が行われている市場のことをいいます。すでに激戦している上に絶えず新規参入者が現れ、まさに血で血を洗うような激しい競争が行われている状況となっていることから、レッドオーシャン(赤い海)といわれるようになりました。

・レッドオーシャンの市場例
よくレッドオーシャン市場の代表的な例として挙げられるのが、冷蔵庫や洗濯機など生活の生活必需品といわれる白物家電です。これまで白物家電市場は国内の家電メーカーがメインでしたが、ここ数年はデザイン性や機能性に優れた製品を開発する海外メーカーが次々と参入するようになっています。

また、新型コロナの影響で自宅で過ごす時間が増えたことも、白物家電市場をにぎわせる要因となっていることは間違いありません。価格面においてもアジア系企業が提案する安価な製品は需要が高く、今後もレッドオーシャンが止まることはないと予想されます。

「ブルーオーシャン」の意味とは

レッドオーシャンの対義語として「ブルーオーシャン」があります。ブルーオーシャンとは、競合相手がいない、もしくは少ない市場のことを指し、通常に比べてコストをかけずに事業展開できるのがメリットです。これまでに存在しなかった、つまり前例がないまったく新しい市場を生み出し、新領域の先駆者として事業を展開していくことを「ブルーオーシャン戦略」と呼んでいます。

・ブルーオーシャンの市場例
ブルーオーシャンの成功例として知られているのが、今や全世界で2億6000万人以上が契約する「Netflix」です。それまでDVDレンタルと言えば店舗で借りるものであり、レンタルサービスを扱う各企業は価格や品ぞろえで競合するというのが当たり前でした。しかし、店舗の増床や返却漏れなどで思うように利益を上げられなかったNetflixは、いち早く郵送によるDVDレンタルサービスを開始、追ってサブスクリプションサービスを導入し、一気に顧客を増やしたのです。その後、複数の企業が動画ストリーミングサービス市場に参入してからも、Netflixはオリジナルの映画や番組を提供することで差別化を図っています。

また、「10分の身だしなみ」をコンセプトに全国展開する「QBハウス」もブルーオーシャンの成功例として有名です。10分1000円でカットする低価格理髪店として、必要最低限の作業以外を徹底的に省くという戦略で、一気にブルーオーシャン市場を駆け上がりました。基本のサービスはカットのみ、カット後は吸引機で残った髪を吸い取るため、通常は必需品とされるはずの洗髪台やドライヤーなどを設置するコストはかからず、1時間6000円の売り上げを確実に達成する仕組みを構築したのです。

・ブルーオーシャン戦略とニッチ戦略はどう違う?
ニッチには「隙間」という意味があり、既存市場の隙間(ニッチ)にある小規模で見逃されやすい領域、わざわざ大手が手を出すことがないような領域をターゲットとした経営戦略のことを「ニッチ戦略」といいます。ブルーオーシャン戦略が、競合がほとんどいない市場を自分たちで生み出す戦略であるのに対し、ニッチ戦略はすでにある市場の中で、誰も手を出していない新しい市場を発掘する戦略です。

例えば、顧客層や地域などターゲットの属性をあえて狭めることで、より効率化を図りながら顧客に刺さる製品やサービスを提供することができるようになり、新たな領域として確立されていきます。ニッチ市場は、大衆をターゲットとする大手企業は手を出しにくい領域となるため、例え規模が小さくてもコアな顧客やリピーターが付くことで、将来的に大きな利益を生み出す可能性があります。

「レッドオーシャン」の使い方と例文

「レッドオーシャン」の言葉の使い方について、具体例を挙げながらご紹介します。「レッドオーシャン」は、ビジネスシーンで以下のような使い方をされています。

【例文】
「今だからこそ、あえてレッドオーシャンに飛び込んで勝負しよう」 
「このサービスは今はまだブルーオーシャンだが、数年後にはレッドオーシャンになっているだろう」
「今後はレッドオーシャンではなく、深海のようにまだ誰もたどり着いていない市場、つまりブラックオーシャンを狙っていきたい」
「これ以上レッドオーシャンで戦うのは、自社にとってリスクが高すぎる」
「レッドオーシャンにこだわる理由はないのだから、一度ブルーオーシャンの展開を検討してみよう」

ビジネスシーンにおいては、上記のように自社の立場や今後の方針などについて話し合う際に使うと考えておくといいでしょう。

一方、ビジネスシーン以外では就職活動において「レッドオーシャン」がよく使われています。例えば、大手企業の採用枠20人に対し500人以上が応募する、場合によっては倍率100倍を超える人数が応募するといった状況になると、就活生にとってはまさにレッドオーシャンです。反対に、地元の中小企業など、応募人数が少なく内定が取れる確率が高いと思われる状況はブルーオーシャンとなります。

レッドオーシャン戦略のメリット

レッドオーシャンで生き残ることを目的として考えられた経営戦略を「レッドオーシャン戦略」と呼んでいます。あえて激しい市場競争が行われているレッドオーシャンに飛び込むことに疑問を感じる人もいるかもしれませんが、レッドオーシャン戦略にはメリットもあります。最も大きなメリットの1つが、需要の高さが証明されていることです。新しい事業を始める際、通常であればそれら製品やサービスの需要の有無を調査することから始めなければなりません。

しかし、多くの企業がすでに参入しているレッドオーシャンなら需要が高いのは確実であり、トップにならなくてもある程度の利益が見込めるのです。
また、製品やサービスにかかる開発コストやマーケティングコストを押さえられるというのも大きなメリットといえます。レッドオーシャン市場では、すでに多くの企業が技術開発を行っており、中には一般に公開されているケースも少なくありません。

また、ある程度事前調査を行えば、顧客のニーズを把握することも難しくないでしょう。このように、競合が多いレッドオーシャン市場では、競合他社のデータを活用することで、一から自社で製品やサービスを打ち出すよりも、大幅なコストカットができるのです。

レッドオーシャン戦略のデメリット

レッドオーシャンには複数のメリットがある一方で、デメリットも存在します。

レッドオーシャン戦略において大きなリスクとなるのが、競合他社の間で差別化ができず埋もれてしまう可能性があるという点です。競争相手が多いということは、すでにそれぞれ異なる特徴を持った製品やサービスが市場にあふれかえっているということを意味します。

そのため、価格やスタイル、機能、デザインなどそれまでになかったポイントに着目し、他社の製品やサービスとの差別化を図ることが必要不可欠となります。

とはいえ、どれほど画期的な策を提案したとしても、知名度や信頼度においてどうしても大手企業が有利となる市場となっているため、やむなく撤退や廃業に追い込まれるケースも珍しくないという現実を理解しておきましょう。

また、レッドオーシャン戦略では開発・マーケティングコストが抑えられると前述しましたが、それ以外において「コストをかける」ことが前提となります。

他社との違いをユーザーに理解してもらうためには、大々的に広告を打ち出さなければならず、また場合によっては専門のコンサルタントに助言を仰ぐ必要も出てくるはずです。レッドオーシャンで生き残るためには、カットする以上にコストが発生する可能性があるということも頭に入れておきましょう。

レッドオーシャン戦略のポイント

レッドオーシャン戦略のメリットやデメリットについて解説してきました。こちらでは、実際にレッドオーシャンで生き残るためのポイントについて紹介します。

・企業調査を徹底する
レッドオーシャン戦略において最も重要といえるのが、競合他社の企業調査を行うことです。すでに市場で成功している企業について調査、分析を行うことはレッドオーシャン戦略に限らずマーケティングの基本ですが、実はこの部分を怠って自社の製品やサービス展開にばかり注力しているケースが少なくありません。

しかし、より効率のいい戦略を立ててレッドオーシャンで生き残るためには、まずは競合となる企業の戦略、どういった経緯で成功に至ったのかを詳しく知ることが重要です。

一方、残念ながらレッドオーシャンの波にのまれて撤退、廃業を余儀なくされた企業について知ることも、自社の戦略を立てるヒントとなります。何が原因で撤退に追い込まれたのか、どの点を改善させれば生き残ることができるのかといったことを分析することで、自社の失敗リスクを減らすことにもつながるでしょう。

・競争優位性を確立する
製品やサービスなどが、競合他社に比べて有利な状況になる性質のことを「競争優位性」といいます。例えば、独自性の高い製品やサービス、希少性が高く入手しづらい天然資源など、他社が取り入れようとしても、簡単にはまねできないものに競争優位性があります。こうした競争優位性を見いだすことで、レッドオーシャン戦略を成功に導くことができます。

競争優位性は製品やサービスの特徴に限らず、付随サービスやアフターケア、流通チャネルなど多角的に考えると効果的です。競合相手にはまねのできない付加価値をつけ、他社の製品やサービスと差別化することで、顧客に「高くてもこれがいい」と思ってもらえれば、レッドオーシャン戦略は成功といえるでしょう。

・ブランディングに力を入れる
製品やサービスのブランドを確立させるための企業活動を「ブランディング」といいますが、顧客に「この会社の製品やサービスには価値がある」と感じてもらうためには、このブランディングが必要不可欠です。例えば、大手ブランドと無名ブランドがまったく同じ製品を同価格で販売したとき、先に売り切れるのは大手ブランドの製品であることは誰もが予想できることでしょう。このように、ブランドのイメージが製品やサービスの信頼感に直結するのです。

とはいえ、ブランド力はすぐに確立されるものではなく、ブランディングにはある程度の時間がかかる点に注意が必要です。製品やサービスにおける独自性、他社にはないこだわりなどをメディアやSNSを通じて発信しつつ、外部の専門家にコンサルティングを依頼するといった策も積極的に取り入れるといいでしょう。

レッドオーシャンの企業の成功事例

ここまで読んでいただければ、どのように戦略を立てて実行すればレッドオーシャンで生き残ることができるのか、ということについてお分かりいただけたと思います。こちらでは、実際にレッドオーシャンで勝ち抜いた企業の成功事例についてご紹介します。

(1)高級食パン市場
一時期、国内でこれ以上ないほど競合がひしめき合っていたレッドオーシャンといえば、高級食パン市場です。2013年に高級「生」食パン専門店が創業されたことを皮切りに、町のパン屋さんから大手企業まで次々と高級食パン市場へと参入し、一時は食パン専門店の国内市場規模は2020年には300億円、2023年には400億円にものぼると予測されていました。

その中で勝ち抜くために、大手ファストフードチェーンが打ち出した戦略が、高級食パンの完全受注販売です。食パン1斤600円という、ファストフードチェーンとしては強気な価格設定でありながら、完全予約制というスタイルを採用することで、廃棄ロスを減らし確実に利益を生み出すシステムを構築し、競合他社との差別化に成功しました。

(2)食品会社
レッドオーシャンの成功例として広く知られているのが、ある食品会社が開発したポテトチップスが業界1位を獲得した事例です。従来のポテトチップスといえば、おいしい反面、塩分が非常に高いというイメージがあり、持病がある人、健康志向の人や小さな子どもがいる人たちにとって手を出すのを躊躇(ちゅうちょ)する存在でした。

そこで、ある大手食品会社が開発したのが「塩を使わない」ポテトチップスです。お菓子業界では年間売上高20億円で大ヒットといわれる中、4カ月で達成し競合他社を驚かせました。知名度があるだけに、ブルーオーシャンを開拓するという選択肢も十分あったにもかかわらず、あえてレッドオーシャンに飛び込み、消費者の不満やニーズに目を向けることで、見事成功を収めた例といえます。

(3)家電
近年、海外企業の参入で特に競争が激化しているレッドオーシャンといえば家電市場ですが、その中で掃除機やトースターなど、どこの家庭にもある白物家電でトップに躍り出たメーカーがあります。そのメーカーでは、「人が本当に欲しいものを実現する」ことを徹底的に追求した結果、市場調査の必要性はないという考えにたどり着いたといいます。消費者の立場に立って考えたとき、求められているのは「うまく焼ける」トースターではなく、「おいしく焼ける」トースターだということに気付いたことから、「毎日おいしくパンが食べられる」という「経験」を売ることに着目して開発された約2万5000円の高級オーブントースターは、価格相場数千円といわれるトースター市場において100万台以上の販売実績を叩き出しました。

激化するレッドオーシャンの中から、誰も考えつかなかった「経験を売る」というブルーオーシャンを発見したことで成功につながった代表例といえるでしょう。

まとめ

レッドオーシャンの意味やブルーオーシャンとの違い、メリットデメリットや成功例などについて解説しました。企業にとって、競争が激化するレッドオーシャンに参入するのは得策ではないと考えるかもしれませんが、すでに需要の高さが証明されている上、開発やマーケティングコストを抑えられるというメリットがあります。とはいえ、競合他社の企業調査を行い成功、あるいは失敗の要因を徹底的に分析し、競争優位性を確立することで差別化できなければ、自社が撤退することになりかねないのも事実です。

厳しいレッドオーシャンを最後まで生き残るためには、誰もが気付けなかった隙間を見つけ出し、ブルーオーシャンとなりうる新領域を自ら開拓することが成功のカギといえるでしょう。

■執筆者プロフィール
新保友映
新保 友映(しんぼ ともえ)
山口県岩国市出身。青山学院大学卒業後、2003年にアナウンサーとしてニッポン放送に入社。『オールナイトニッポンGOLD』のパーソナリティをはじめ、『ニッポン放送ショウアップナイター』やニュース情報番組、音楽番組など担当。2018年ニッポン放送退社後はフリーアナウンサーとして、ラジオにとどまらず、各種司会、トークショーMC、YouTube、Podcast、話し方講師など幅広く活動。科学でいじめのない世界をつくる「BE A HEROプロジェクト」特任研究員として、子どもたちの授業や大人向け講座の講師も担当している。
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