ビジネスシーンで使用される「マネタイズ」という言葉。耳にすることはあるけれど、詳しい意味がいまいち分からないという人も多いのではないでしょうか。この記事では、「マネタイズ」の意味や例文、ビジネスモデルを考える上で欠かせない、マネタイズの方法5種類、成功するためのポイントなどを解説します。
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<目次>
・「マネタイズ」の意味とは
・ビジネスシーンにおける「マネタイズ」という言葉の使い方
・「マネタイズモデル」と「ビジネスモデル」の違い
・マネタイズの主な手法と具体例
・マネタイズを成功させるポイント
・まとめ
「マネタイズ」の意味とは
「マネタイズ」をひとことで表すと「収益化」で、英語では「monetize」と表記します。
英語のマネタイズは「通過基準を定める」や「金属を貨幣として鋳造する」という意味も持っています。※鋳造(ちゅうぞう)とは、型の中に溶かした金属を流して固める加工の方法のこと。
ビジネスシーンにおける「マネタイズ」という言葉の使い方
ビジネスシーンにおけるマネタイズとは「無収益だったビジネスから、お金を生み出す仕組みを作ること」を指しています。
ここでは、マネタイズの使い方の例文を紹介します。
【正しい例文】
「ブログの読者が1万人になったので、マネタイズしよう」
「マネタイズするにあたっては、顧客の年齢層を把握するべきだ」
マネタイズという言葉は、これから収益を作っていく段階や、お金を生み出すプロセスのみに適用できます。次の例文は、「マネタイズ」の誤った使い方です。
【誤った例文】
「有料会員が減少していて、今年はマネタイズできていない」
この場合、有料会員はすでにお金を支払っているため、無料から収益を生み出す状態でないことが分かります。単に収益が下がったことを表す際に最適な言葉ではないため、使うシーンに注意しましょう。
「マネタイズモデル」と「ビジネスモデル」の違い
「マネタイズモデル」と「ビジネスモデル」の違いは以下のとおりです。
・マネタイズモデル
収益を得るための仕組みのこと
・ビジネスモデル
収益を出すための具体的な仕組みのこと
同じような意味で使われることもありますが、内容は異なるため混同しないようにしましょう。
マネタイズの主な手法と具体例
ビジネスで収益化するための主な手法を、5つ紹介します。扱っている商品やサービスに合わせて、いくつかの手法をミックスすることもあるでしょう。
・広告モデル
「広告モデル」とは、ホームページや自社メディア、ブログなどに広告を掲載して収益を得る方法です。広告のクリック数や、遷移先でのアクション(購入や資料請求など)によって収入が得られます。広告には、以下のような種類があります。
YouTube広告
Instagram広告
Facebook広告
バナー広告
アフィリエイト広告
自社で運営している媒体に合わせて、適切な広告運用をすることが肝心です。
・課金モデル
「課金モデル」とは、ユーザーから直接、料金をもらう収益モデルのこと。課金によるマネタイズは、主に以下のようなケースが挙げられます。
アプリ内での課金
SNS(ライブ配信)での投げ銭
オンラインサロンの月額費
上記のような収益モデルを「課金モデル」と表現します。
・仲介モデル
仲介によって利益を得ている事業もあります。仕事を依頼したい人と労働者をつなぐプラットフォームが、その代表例です。「仲介モデル」とは、双方がマッチングする場を提供し、成約の際に仲介手数料をもらうビジネスモデルです。
・ECモデル
「ECモデル」では、自社のネットショップシステムを使ってもらい、手数料によって利益を上げます。フリマ型のアプリや、誰でも簡単に自分のショップが持てる通信販売のプラットフォームなどが代表的です。
利用者はプラットフォームがあることで手軽に販売ができ、提供者は利用手数料によって収益が生み出せます。顧客にとっても買い物の利便性が上がる、うれしいシステムといえるでしょう。
・物品販売型
「物品販売型」では、商品を売り上げることがそのままマネタイズにつながります。インターネット上のページを使えば、全国に商品を届けることが可能です。売上から原価や経費を差し引いた分が収益になる、シンプルなビジネスモデルです。
マネタイズを成功させるポイント
無料だったものを有料化に移行する際は、事前準備をしてから挑まないと失敗してしまうおそれがあります。マネタイズを成功させるためには、以下5つのポイントを把握しておきましょう。
・入念に市場調査をする
マネタイズにあたっては、入念な市場調査が欠かせません。例えば、資金をかけてプラットフォームを構築しても、利用者がいなければ赤字になってしまいます。顧客が求めているものや適切な価格設定など、細かいリサーチを行い、それを基にマネタイズを行いましょう。
・あからさまな収益化はしない
マネタイズの失敗例でありがちなのが「インフルエンサーが急に広告ばかり宣伝し始めてファンが減ってしまう」という減少です。急に利益ばかりにフォーカスしてしまうと、これまで築き上げた信頼関係を失いかねません。顧客が不快な思いをしないよう、段階を踏んでマネタイズを進めるとよいでしょう。
・ブランド力を育成する
マネタイズばかりに気をとられずに、自社や自分のブランド力アップにも注力しましょう。ブランドに人気が出て、コアなファンが増えれば、マネタイズもスムーズに行えます。
・収益につながる動線を引く
急な方向転換はファン離れにつながるため、あらかじめ収益化までの動線を作っておきましょう。自社や自身の成長と共に、少しずつマネタイズを進めていくことがおすすめです。まずは自社(自分)が、顧客に対してメリットを与えられる存在になることが肝心です。
・PDCAを回す
PDCA(ピー・シー・ディー・エー)は、以下の頭文字です。
Plan(計画)
Do(実行)
Check(測定・評価)
Action(対策・改善)
やみくもにマネタイズを進めるのではなく、計画・実行の後には測定や改善を行い、常により良い状態を目指しましょう。これら4項目を常にチェックしておけば、収益率のアップにもつながる可能性があります。
まとめ
マネタイズとは、「収益化」のことで、ビジネスを継続するために必要なプロセスの1つです。
マネタイズにはさまざまな方法があるため、それぞれの特徴をよく理解しておきましょう。適切なマネタイズの方法を知って、自社(自分)の事業展開に生かしてみてはいかがでしょうか。