クリティカル(critical)とは? ビジネスでの使い方や例文、業界別の意味を解説

ビジネスシーンにおいてクリティカルとは、「重大」または「危機」「批判的な〇〇」といった意味で使われます。クリティカルシンキングやクリティカルパスなどの関連用語も合わせて、クリティカルの使い方、例文を解説します。

クリティカルとは
クリティカルとは

ビジネスシーンで耳にする「クリティカル」という言葉。「クリティカルシンキング」「クリティカルパス」など、組み合わせて使う単語も多くあります。クリティカルにはいくつかの意味が含まれているため、前後の文脈によって意味を判断する必要があるでしょう。今回はクリティカルの詳しい意味や関連用語を紹介します。

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<目次>
クリティカルの意味とは
ビジネスにおけるクリティカルの意味
ビジネスにおけるクリティカルの使い方と例文
IT業界におけるクリティカルの意味
医療現場におけるクリティカルの意味
クリティカルシンキングとは
クリティカルの関連用語
まとめ

クリティカルの意味とは

「クリティカル」は英語の「critical」のことで、以下のように和訳されます。

批判的な
批評的な
大変な
(生死を分けるような)危機的な
決定的な
重大な

英単語のcriticalはさまざまニュアンスを含んでいるため、前後の文脈によって意味を判断する必要があるでしょう。

ビジネスにおけるクリティカルの意味

ビジネスシーンにおけるクリティカルの意味は、「重大」または「危機」。その他には、英語の意味のまま「批判的な〇〇」という状態を表す際にも使われます。

ビジネスにおけるクリティカルの使い方と例文

ビジネスシーンで実際に「クリティカル」を使う際の、正しい例文を紹介します。

・会議や商談などで使う場合

以下は、会議や商談でクリティカルを使う際の例文です。

【例文】
「クリティカルな意見は非常に参考になります」
「弊社にお任せいただければ、現在のクリティカルな状況を打開します」

「批判されている状況」や「良くない状態」の言い換えとして、クリティカルを使います。

・人事評価や経営会議で使う場合

社内の人事評価や、経営会議の場でもクリティカルを使うことがあります。

【例文】
「経営においては、クリティカルな視点を持つことも重要だ」
「クライアントのA社について、協力業者からはクリティカルな意見が多いようだ」

上記の例文は「批判的な~」という意味の置き換えとしてクリティカルを使っています。ネガティブな要素を含む会話の際にあえてクリティカルを使うと、少しだけやわらかい印象になるかもしれません。文脈や状況によって使い分けるとよいでしょう。

IT業界におけるクリティカルの意味

IT業界では「クリティカルエラー」という単語を使うことがあります。

クリティカル:重大な、大変な
エラー:誤ち

IT業界における「クリティカルエラー」とは、ソフトウェアやシステムにとって、重大なトラブルが発生した際に用いられる単語です。

医療現場におけるクリティカルの意味

医療現場では「クリティカルケア」という単語を使うことがあります。

クリティカル:(生死を分けるような)危機的な
ケア:世話、手当て

クリティカルは、生死を分けるような、危機的な状況を表す言葉でもあります。クリティカルケアとは、重い病気や重度の外傷を負った患者の世話をすることです。具体的には「ICU(集中治療室)」や救急救命センターなどでの業務を指しています。

クリティカルシンキングとは

「クリティカルシンキング」の意味は「批判的思考」です。物事に対して、第三者目線からの批判的な意見を捉え、本質を見極める思考のことです。

・クリティカルシンキングの重要性

ビジネスシーンにおいて、クリティカルシンキングは非常に重要です。自身の主観だけで物事を考えてしまうと、意見に偏りがでたり、求められている方向からズレたりしてしまうことがあります。クリティカルシンキングを取り入れると、自分の思考のクセを取り除きやすくなるため、新しいアイデアが生まれることもあるでしょう。

・ロジカルシンキングとの違い

ロジカルシンキングとは「論理的思考」のことで、英語では「logical」と書きます。クリティカルシンキングとの違いは以下の通りです。

クリティカルシンキング:多角的な視点から、その物事の本質を理解すること
ロジカルシンキング:筋道を立てて物事を考え、矛盾のない結論を導くこと

クリティカルシンキングで全体を俯瞰(ふかん)することで、ロジカルシンキングによる検証の精度を上げることができます。つまり、どちらか1つの考え方だけではなく、両方の思考が必要といえるでしょう。

クリティカルの関連用語

以下では、6種類の関連用語を紹介します。クリティカルと別の言葉を合わせることで、ニュアンスが変わるものもあるため、ぜひ覚えておきましょう。

・クリティカルマス

「クリティカルマス」の英語表記は「critical mass」です。あるサービスや商品が、一定のラインを超えたときに一気に跳ね上がる分岐点や境界線、その普及率などを指しています。別の言い方では「限界質量」とも呼ばれます。

・クリティカルケア

クリティカルケアとは医療現場で用いられる言葉で、命の危機にある患者を看護ケアすることです。専門的で高度なスキルが求められる業務内容のため「クリティカルケア認定看護師」といった資格もあります。

・クリティカルエラー

IT関連の業務で用いられるのが「クリティカルエラー」です。ソフトウェアや機器に対して、致命的なエラーが起きた際にクリティカルエラーと表現します。

・クリティカルポイント

科学や研究分野で使われる「クリティカルポイント」は「臨界点」という意味です。これは、臨界温度下で気体が液化し、特定の圧力で境界線がなくなる状態のことです。またビジネスにおけるクリティカルポイントは、企業にとって重大な変化が生じるタイミングのことを指しています。

・クリティカルヒット

「クリティカルヒット」は「会心の一撃」や「致命的な一撃」を表現する際に用いられます。主にゲームやスポーツの場で使うことが多いでしょう。ビジネスシーンでも同じ意味合いで「致命的なミス」を表す際に使うことがあります。

・クリティカルパス

「クリティカルパス」とは、主にビジネスシーンで使う言葉です。プロジェクト完了における重要なタスクを洗い出す手法のことを「クリティカルパス法(CPM:Critical Path Method)」と呼びます。

大量のタスクがあるプロジェクトの場合、何を優先するのか、どこに時間を奪われてしまうのかを把握しなくてはなりません。その中で「遅れるとプロジェクト全体が遅延する要因になるタスク」を見つけて、最短の経路を考えておく手法がクリティカルパス法です。

まとめ

クリティカルには「危機的」や「致命的」など、比較的重い意味が含まれているため、ビジネスシーンにおいては使う場所を厳選したほうがよいかもしれません。またクリティカルケアやクリティカルパスのように、1つの単語としてやや違う意味を持っている言葉もあります。文脈や合わさる単語によってニュアンスが異なるため、それぞれをよく理解しておくことが大切です。

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