現代のお笑いを作り出したと言っても過言ではない松本さんが、ついにテレビから消えた……。そんな未来を、多くのファンだけでなく、テレビ業界に勤めるスタッフたちも思い描いていなかったことでしょう。各マスコミでは、松本さんの後任を探す動きがありますが、確実にテレビを中心とするお笑い界は大きな変革期に向かっています。
そんな中で、2024年にはお笑い界でどんな動きがあるのか、元テレビ局スタッフの筆者が予想していきたいと思います。
急ぎの対応を求められる松本人志レギュラー番組の数々
さまざまな番組に出演していた松本さんは、レギュラーだけでも『人志松本の酒のツマミになる話』『まつもtoなかい』(共にフジテレビ系)、『クレイジージャーニー』『水曜日のダウンタウン』(共にTBS系)、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』『ダウンタウンDX』(共に日本テレビ系)、『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送テレビ)を担当。『IPPONグランプリ』『人志松本のすべらない話』(共にフジテレビ系)などの特別番組や、『M-1グランプリ』『キングオブコント』の審査員まで含めれば、今後もかなりの影響が出ることになります。
すでに、『まつもtoなかい』は、二宮和也さんを司会に迎え『だれかtoなかい』としてリニューアル。また、レギュラー放送ではないものの、松本さんがチェアマンを務めていた『IPPONグランプリ』は、2月3日に最新回が放送されバカリズムさんがチェアマン代理を務めました。
『人志松本の酒のツマミになる話』に関しては、タイトルを2月9日の放送から『酒のツマミになる話』に変更。当面は、松本さんの席に出演していた千鳥・大悟さんが座り、番組を進行することになりました。
代役は吉本芸人だけではない!
『水曜日のダウンタウン』や『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』をはじめ、まだ代役は流動的ですが、『まつもtoなかい』と『IPPONグランプリ』に関しては、吉本興業所属ではない芸人やタレントが、代わりに出演したことは注目すべきポイントです。これまでのテレビ業界で言えば、出演タレントに穴があいた場合は、所属する事務所が同等のネームバリューを持つタレントを補填(ほてん)するのが通例でした。吉本興業には人気芸人が豊富なので、松本さんの代わりを務める人材は多いはず。なのに、二宮さんやバカリズムさんが松本さんの代わりに出演するのは少し違和感も。
今回の「代役」は、松本さんが抜けた穴を吉本芸人で埋めるのではなく、新しい形で番組作りをしようとテレビ業界がシフトチェンジしている様子がうかがえます。松本さんが休業するのは事実として受け止め、テレビ局スタッフが新しいものを作ろうと奮闘しているのだと筆者は認識しています。