恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」 第95回

北陸新幹線、ついに延伸開業! 車内、車窓、駅構内はどうなっている?【試乗会リポート】

北陸新幹線金沢~敦賀間の延伸開業が2024年3月16日に予定されている。車内や車窓、駅構内はどのようになっているのか。2月1日に行われた報道関係者向けの試乗会に参加したので、詳しくリポートしよう。

連載「鉄道雑学ニュース」
乗り物の域にとどまらず、見ても、撮っても、もちろん乗っても面白い鉄道の世界。知れば知るほど奥が深くて面白い鉄道に関する最新情報&雑学を、「All About」の鉄道ガイドで旅行作家の野田隆が自ら撮影した駅舎や車両画像とともに分かりやすく解説する。

2024年3月16日に開業する北陸新幹線金沢~敦賀駅間。営業運転開始に先駆け、2月1日に報道関係者向け試乗会が行われた。車内や車窓、駅構内はどのようになっているのか、詳しくリポートする。
W7
敦賀駅に到着したW7系の試乗会列車
筆者が乗車したのは、金沢発敦賀行きの列車。W7系12両編成で、通常の営業列車と同じ編成だ。北陸新幹線に使用される車両は、JR東日本所属のE7系もあるけれど、今回の延伸開業区間は全てJR西日本管内であり、試乗会の主催はJR西日本なので、W7系が使われた模様だ。もっとも、W7系もE7系もぱっと見ただけでは違いは分からない。

金沢を発車、一路敦賀へ

犀川
犀川(さいがわ)を渡って金沢を後に
金沢駅を発車すると、しばらくは北陸本線と並走しつつ高架上を進む。高いところから金沢の市街地を見下ろす感じだが、遠くに白山の雄姿が見えるとのこと。しかし、この日はどんよりとした曇り空で山並みは見えず残念だった。

犀川を渡り、金沢バイパスをまたいで市街地を次第に離れていくと、白山の代わりに見えてきたのは白山総合車両所、北陸新幹線の車両基地だ。あいにく、ほとんどの車両は出払っているようで、線路と車庫が目に入るのみだった。

車両基地を過ぎると、家並はまばらになり、広大な田園風景の中を疾走する。最近の新幹線はトンネルばかりで車窓はほとんど楽しめないことが多いが、この付近は平地なのでトンネルはない。防音壁も所々高くなって車窓を遮ることもあるけれど、意外に景色を堪能できる。在来線の特急列車が最高速度を出すときは、結構揺れが気になるものだが、さすがは新幹線、線路の幅が広いのと(1435ミリの標準軌)、カーブも緩やかなので揺れもなく、静かで快適そのものだ。

W7系の車内見学

小松駅を通過するあたりで、車内見学の時間となった。筆者が乗車したのは10号車で、すぐ隣の11号車はグリーン車、その先の12号車は最高級車両のグランクラスとなっている。どちらも、すでに東京~金沢間を走っている「かがやき」「はくたか」のものと同じだ。
グリーン車
11号車グリーン車車内
グリーン車は通路を挟んで2人席、グランクラスは2人席と1人席のうえ、実にゆったりとしたシートなので、普通車と比べると別世界のようだ。

これまで、東京~金沢間は「かがやき」で2時間30分ほど、多くの駅に停車する「はくたか」でも3時間ほどだったので、グランクラスのゆったりした席を離れるのが名残惜しかった人も少なからずいたようだが、敦賀まで乗り通すと「かがやき」で3時間前後、「はくたか」なら4時間近く乗っていられるので、これなら充分に心地よさを堪能できるのではないだろうか?
グランクラス
12号車はグランクラス。ゆったりした車内は極上の快適さ
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2つの温泉駅も誕生
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