洗濯機「まとめて洗濯」or「分けて洗濯」節電になるのはどっち?【悩ましい2択をプロがジャッジ】

家電の使用法に悩む人に向けて、「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が正しい使い方を紹介します。今回のテーマは「洗濯機は『まとめて洗濯』と『細かく分けて洗濯』どちらが節電になるのか」です。

節電したり、性能を引き出したりと、家電は上手に使いたいもの。ですが、使用法はさまざまな説やウワサがあって、どれが正解なのか分からなくなってしまいますよね。
洗濯機は「まとめて洗濯」「細かく分けて洗濯」どちらが節電?
洗濯機は「まとめて洗濯」「細かく分けて洗濯」どちらが節電?
そんなお悩みを、「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が解決。正しい家電の情報を解説します。今回のテーマは、「洗濯機は、『まとめて洗濯』と『細かく分けて洗濯』どちらが節電になるのか」です。

アンケート調査では「まとめて」派が多数

洗濯機は「まとめて洗濯」と「細かく分けて洗濯」どちらが節電になると思うか
洗濯機は「まとめて洗濯」と「細かく分けて洗濯」どちらが節電になると思うか
All About ニュース編集部は、全国の20~60代の男女401人に「洗濯機は『まとめて洗濯』と『こまめに分けて洗濯』どちらが節電になると思うか」アンケート調査を実施。その結果、「まとめて洗濯」と回答した人が88%、「細かく分けて洗濯」と回答した人が12%となりました。

「まとめて洗濯」と回答した人のコメントを見てみると、「少なくても多くても使用する電力自体は大差なさそうだから」(40代女性/愛媛県)「回数が少ない方が、節電になる気がします」(40代女性/東京都)といったものがありました。

一方、「細かく分けて洗濯」と回答した人のコメントには、「まとめて洗うと洗濯物が多くなり、回すのに余計な力を使ってしまうから」(40代女性/大分県)「水道代はまとめての方がお得だと思うけど、脱水とかにかかる電力的には細かく分けての方が節電になると思った」(20代女性/広島県)といったものが。正しい使い方はどちらなのでしょうか?

正しい方法は「まとめて洗濯」

洗濯はまとめてすることが節電・節水につながります。

10kgの洗濯物を洗濯した場合、1kgしか洗濯しなかった場合に比べて10倍の水量と10倍の時間がかかるわけがないということは容易に想像できると思います。ここまで極端ではなくても、やはりこまめに洗濯するよりもまとめて洗濯した方が節電・節水につながることは間違いありません。

例えば、日立の全自動洗濯機「ビートウォッシュ」シリーズの2023年モデル「BW-V100J」(洗濯脱水容量10kg)の場合、水量の目安は洗濯物が約0.5kg以下で22L、約3kg以下で38L、約5kg以下で50L、約10kg以下で62Lもしくは72Lです。約5kgの洗濯物に対し、2倍の約10kgでも約2割~4割増しの水量で洗濯できることになります。

洗濯物をまとめて洗った場合とこまめに洗った場合の比較(出典:経済産業省資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」)
洗濯物をまとめて洗った場合とこまめに洗った場合の比較(出典:経済産業省資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」)
経済産業省資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」によれば、定格容量(洗濯・脱水容量:6kg)の4割(約2.4kg)を入れて洗う場合と、8割(約4.8kg)を入れて洗う回数を半分にした場合を比較すると、年間で電気5.88kWhの省エネ(約180円の節約)、水道は16.75立方メートルの節水(約4360円の節約)になるとのことです。

まとめ洗いをする場合は「雑菌の繁殖」に注意

まとめ洗いは節電・節水につながることは間違いありませんが、注意点があります。それは、洗濯物の汚れ落ちが悪くなることと、イヤなニオイが落ちにくくなることです。

洗濯物を洗濯槽の中に入れっぱなしにしておくと、生乾き臭のようなニオイが落ちにくくなってしまう場合も。これは雑菌のモラクセラ菌が繁殖した際の排泄物のニオイだと言われています。風通しの悪い洗濯槽に入れっぱなしにしておくと雑菌が湧きやすくなるため、通気性のいい洗濯カゴに入れておくなど、雑菌がわきにくい環境に洗濯物をためるのがおすすめです。もし生乾き臭が落ちにくくなってしまった場合は、色柄ものにも対応する酸素系漂白剤で30~40分ほどつけ置きしてから洗濯するといいでしょう。

もう一つ注意してほしいのが、すすぎの回数です。洗濯機に搭載されている「お急ぎモード」などでは、すすぎと脱水の回数を1回ずつ減らすことで時短を実現していますが、これでは雑菌や汚れた洗浄液などを洗い流しきれずにニオイが残ってしまう場合があります。毎日こまめに洗濯する家庭の場合は問題ないですが、まとめ洗いの場合は必ずすすぎを2回以上に設定しましょう。
 
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
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