『不適切にもほどがある!』第1話 クドカンワールド全開! 昭和と令和のギャップに視聴者大爆笑

1月26日より放送スタートしたドラマ『不適切にもほどがある!』第1話のストーリーをおさらいしつつ、今後の見どころに迫ります。(画像出典:TBS『不適切にもほどがある!』公式Webサイト)

主演・阿部サダヲさん×脚本・宮藤官九郎さんのタッグで送るドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)が1月26日より放送スタートしました。

“昭和のダメおやじ”が令和にタイムスリップするという本作。初回から不適切発言のオンパレードと根性論上等の昭和マインドが、令和の停滞した空気に一撃をかましてくれました。ストーリーをおさらいしつつ、SNSで話題のコメントとともに今後の見どころを紹介します。

不適切にもほどがある
画像出典:TBS『不適切にもほどがある!』公式Webサイト

第1話のあらすじ

時は1986年。小川市郎(阿部サダヲ)は、愛の鞭と称した厳しい指導で「地獄のオガワ」と生徒たちから恐れられる体育教師。家では男手1つで17歳の娘・純子(河合優実)を育て、年頃の純子が男を家に連れ込み“ニャンニャン”“チョメチョメ”するのではないかと気をもむ父親でもあります。

ある日、市郎はバスで帰宅中につい居眠り。目を覚ますと2024年にタイムスリップ。見たこともない異様な格好をし、「とぅるっとした薄いやつ」(※注:スマートフォン)を持つ人々と薄ら変わった景色に戸惑います。なんとか見つけたなじみの喫茶店に飛び込んだ市郎は、動揺してカウンターにいた犬島渚(仲里依紗)のビールを勝手に飲み口論に。駆け込んだトイレの壁に不思議な穴を見つけると、その穴は1986年に繋がっており、市郎は元いた時代に戻ります。

同じ頃、純子は向坂キヨシ(坂元愛登)から突然告白されていました。キヨシは社会学者の母・サカエ(吉田羊)と共に令和から昭和へタイムスリップしてきた中学生。街中で純子に一目惚れしたのです。純子は“ムッチ先輩”こと秋津睦実(磯村勇斗)が好きなのにもかかわらずキヨシを家に連れ込み、市郎と鉢合わせ。翌日、キヨシは市郎のいる中学に転入。市郎は私情を挟みまくってキヨシをしごき倒し、学校にサカエが乗り込んできて教師たちを“令和の正論”で糾弾します。

「とぅるっとした薄いやつ」と渚のことが気になって仕方ない市郎は、あのバスに乗って再びタイムスリップに挑戦。サカエとキヨシも同じバスに乗ろうとしていたものの、キヨシが残りたいと駄々をこねて乗車せず。昭和に残ったキヨシは純子を巡ってムッチ先輩とタイマンを張り、彼女との距離を縮めていきます。

一方、令和に来た一郎は居酒屋にいました。隣席には、パワハラで部下から訴えられたサラリーマン・秋津(磯村勇斗)と上司たち。「頑張れ」と励ますことがパワハラになると聞いた市郎は、「こんな未来にするために頑張ってきたんじゃない!」と憤怒。秋津もまた、生きづらい社会で精神が限界だと突然ミュージカルを開始し、「話し合おう」「拳と拳で」と市郎と意気投合。なぜかパワハラで訴えてきた部下も現れ、叱ってほしかったという本音を吐露します。

その後、喫茶店の穴から昭和へ戻ろうとした市郎は、夜のスナックタイムに喫茶店で働いているという渚と再会。市郎を追ってきた秋津と渚に、自分が昭和からやって来たと告白する市郎。昭和に戻ろうとトイレに駆け込むも、ウォシュレットに変えられたトイレにはもう、あの穴はなく――。

不適切にもほどがある
画像出典:TBS『不適切にもほどがある!』公式Webサイト

クドカンワールド全開!大爆笑のシュールな社会風刺ドラマ

冒頭で「時代による言語表現や文化・風俗の変遷を描く本ドラマの特性に鑑み 1986年当時の表現をあえて使用して放送します」とテロップを出すことにより、昭和では当たり前に使われていたものの現代では自粛されがちな“不適切発言”のオンパレードが成り立つという、時代を逆手にとった面白さが際立った第1話。

突然、繰り広げられたミュージカルの歌詞もまた秀逸。「多様性」を免罪符に何でも簡単にハラスメント扱いされてしまい、思いや考えを口にしづらくなった令和の社会。「多様性というなら、一方だけではなく他方をも平等に受け入れるべきでは?」という“昭和のダメおやじ”市郎の叫びに思わず頷かされました。とはいえ、ミュージカルという形をとっているからか、声高に主張し押し付けられている印象は全く受けないというバランスの良さがスマート。

X(旧Twitter)では、「サイコ-!」「大爆笑!」「面白すぎてぶっ飛んだ」「クドカンワールド全開で笑った笑った!」「消化しきれないほどの内容の濃さ。宮藤さんは世のドラマを超えてくる。一石を投じる社会風刺」「昭和と令和のギャップが面白い」「これからずっと、昭和の不適切さと令和の不適切さを並べられていくなんて楽しみすぎる」「そういえば地上波でタバコ吸うシーンて最近ないのか!気がついてなかった」などのコメントが続出しています。

第2話で市郎は、渚と秋津にこれまでの経緯を説明し、初めて会った時の“渚の涙の理由”が気になっていたと打ち明けます。渚が語るこれまでの出来事は、現代の働き方の難しさを象徴するような内容で――。次回もミュージカルが繰り広げられる模様。今度はどんな昭和と令和の対比に言及されるのか注目です。

この記事の筆者:地子給 奈穂
編集・ライター歴17年。マンガ、小説、雑誌等の編集を経てフリーライターに転向後、グルメ、観光、ドラマレビューを中心に取材・執筆の傍ら、飲食企業のWeb戦略コンサルティングも行う。  

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    静岡の名所をぐるり。東海道新幹線と在来線で巡る、「富士山」絶景ビュースポットの旅

  • ヒナタカの雑食系映画論

    『グラディエーターII』が「理想的な続編」になった5つのポイントを解説。一方で批判の声も上がる理由

  • アラサーが考える恋愛とお金

    「友人はマイホーム。私は家賃8万円の狭い1K」仕事でも“板挟み”、友達の幸せを喜べないアラサーの闇

  • AIに負けない子の育て方

    「お得校」の中身に変化! 入り口偏差値と大学合格実績を比べるのはもう古い【最新中学受験事情】