アジェンダの意味とは? ビジネスでの書き方や作成ポイント、レジュメとの違いを解説

アジェンダとは、会議の日時や目的、タイムテーブルなどが記載された書類のことです。本記事では、ビジネスにおける「アジェンダ」の意味や使い方、アジェンダを作成する際のポイントなどについてフリーアナウンサーの新保友映が解説しています。

アジェンダの意味とは? ビジネスでの書き方や作成ポイント、レジュメとの違いを解説
アジェンダの意味とは? ビジネスでの書き方や作成ポイント、レジュメとの違いを解説

アジェンダとは、会議の日時や目的、タイムテーブルなどが記載された書類のことです。この記事では、ビジネスにおける「アジェンダ」の意味や使い方、アジェンダを作成する際のポイントなどについてフリーアナウンサーの新保友映が解説しています。

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<目次>
アジェンダの意味とは?
アジェンダと「議案」「議題」「議事」の違い
「アジェンダ」と「レジュメ」「サマリー」「スキーム」の違い
ビジネスシーンにおける「アジェンダ」の使い方・例文
アジェンダはなぜ必要?
アジェンダの基本構成・書き方
アジェンダを作るときのポイント・注意点
まとめ

アジェンダの意味とは?

ビジネスシーンにおける「アジェンダ」とは、「会議の目的や議題、日時、タイムテーブルなど、会議の概要をまとめた文書」のことで、会議の前に共有されます。英語で「議事日程」「予定表」「協議事項」といった意味を持つ「agenda」が由来で、政治の分野では「行動指針」という意味で用いられることもあります。

アジェンダと「議案」「議題」「議事」の違い

アジェンダと同じく、会議の場で耳にすることの多いのが「議案」「議題」「議事」です。アジェンダにも、「議題」や「議案」のように「会議で話し合うべきこと」といったニュアンスがあります。ただし、ビジネスシーンで使われる場合、会議の内容やタイムテーブルなどを含む「予定表・計画」という意味合いが強く、「議題」や「議案」「議事」よりも広い意味があると言えるでしょう。ここでは、改めてそれぞれの意味についてチェックしておきましょう。

・議案
会議の中で提示された具体的な解決案、アイデアなど。

・議題
会議の目的、あるいは話し合うべきテーマ。

・議事
会議そのもののこと。また、会議の内容。

「アジェンダ」と「レジュメ」「サマリー」「スキーム」の違い

次に、「レジュメ」「サマリー」「スキーム」との違いについてご紹介します。それぞれ、アジェンダに近いニュアンスがありますが、使用されるシーンは異なります。各用語の違いを明確にしておきましょう。

・レジュメ
「レジュメ(レジメ)」とは、発言・発表内容を要約した文書です。例えば、会議・講義の要点や論文の概要などを簡潔にまとめたものが当てはまります。通常、レジュメは会議や講義が始まる前に配布し、参加者にあらかじめ内容を把握してもらいます。近年は、履歴書や職務経歴書をレジュメと呼ぶ場合もありますので注意が必要です。アジェンダが「会議全体の予定表」であるのに対し、レジュメは「会議内容の要約」のみを指します。

・サマリー
「サマリー」は、一般的にはレポートや論文の冒頭に記載される「要旨」のことを指します。ビジネスでは、会議や視察の報告書、レポートなどの要点をまとめること、あるいはその資料のことで、「総括」「概略」といった意味で使われます。アジェンダやレジュメとは異なり、サマリーは会議の終了後に作成・配布されます。

・スキーム
「スキーム」は、「計画」や「体系」を表します。ビジネスでは、「目標の達成に向けた具体的な方法・枠組み」という意味で用いられます。漠然とした計画ではなく、手順や具体的なアクションまで綿密に固められたものをスキームと呼び、「事業スキーム」「販売スキーム」のように使います。「計画」という意味では、アジェンダと共通している部分があるかもしれませんが、会議の計画をスキームと呼ぶことはありません。

ビジネスシーンにおける「アジェンダ」の使い方・例文

アジェンダは、会議の実施前などに「作成する」「共有する」といった言葉とともに使われることが多いでしょう。

【例文】「来週開催予定の会議のアジェンダを作成し、メールで参加者に共有する」
    「火曜日に会議をするから、アジェンダと資料に目を通しておいて」
    「本日の会議は、事前に配布しましたアジェンダに沿って進行いたします」

アジェンダはなぜ必要?

アジェンダは、会議の質を高めてくれる重要な文書です。ここでは、3つの観点からアジェンダの必要性について解説します。

・会議の目的について参加者全員が共通認識を持つため
会議を有意義なものにするためには、参加者1人ひとりが会議のテーマやゴールを理解し、十分な準備をした上で臨むことが大切です。アジェンダによって会議内容を事前に共有しておくことで、方向性が定まり、内容がブレたり逸れたりすることなく、有益な議論が可能となります。

・会議の時間短縮や効率化を図るため
アジェンダは、会議の効率化にも大きく貢献します。アジェンダには、タイムテーブルや時間配分なども記載されているため、内容に沿って会議を進めることで、限られた時間の中でも密度の高い話し合いができます。結論が出ないままだらだらと長引くような会議は、長時間労働や生産性低下を招いてしまいます。あらかじめアジェンダによって情報を提示しておくことで、時間短縮が見込めるほか、「時間がなくなってしまい、全ての議題について話し合えなかった」「別の議題があったのに失念していた」といった問題も回避できるでしょう。

・スムーズな意見交換のため
全員がアジェンダに目を通した上で会議に参加すると、意見交換がスムーズにでき、解像度の高い議論が可能です。テーマを踏まえ、事前に参加者がそれぞれの考えをまとめておけるため、実際の会議では多くの意見を集めやすくなります。多角的な視点から議題について検討できれば、よりよい結論を導けるかもしれません。

アジェンダの基本構成・書き方

続いては、アジェンダの基本的な構成と書き方をご紹介します。長々と情報を書き連ねるのではなく、箇条書きなどで簡潔に記載することがポイントです。会議の内容などにより、追加すべき項目があれば臨機応変に対応しましょう。

・会議名
何についての会議なのか、明確に把握できる名称をつけます。定期的に行うものであれば、名称をそろえると分かりやすいです。

・場所
フロアや会議室の名前など、詳細まで記載します。社外の参加者がいる場合は、地図を添付するなどの配慮を心がけましょう。

・日時
スタートの時間だけでなく、終了予定時刻も記載しましょう。

・目的
会議の目的を具体的に記載します。「下半期マーケティング戦略の決定」「◯◯プロジェクトのアイデア出し」のように、ゴールを明確にしておくとよいでしょう。

・進行順序・議題
会議がスムーズに進むよう、どの議題をどの順番で取り上げるかを検討し、具体的な進行表を作成します。例えば、「上半期の振り返り(10分)」のように、各議題に対する所要時間も併せて記載します。

・参加者名(進行役名、タイムキーパー名、記録者名など)
参加者とその所属部署、会議における役割などを記載します。

・配布資料一覧
全ての参加者に資料が行き渡っているかを確認するために、配布資料の一覧を記載します。事前に目を通してもらいたい資料などがあれば、併せて周知しておきましょう。

・備考、問い合わせ先
その他、会議に関する情報や、アジェンダについての問い合わせ先を記載します。参加者がメモを取れるよう、備考欄としてスペースを空けておくとよいでしょう。

アジェンダを作るときのポイント・注意点

最後に、アジェンダを作成するときのポイントと注意点をチェックしておきましょう。

・会議の流れを意識して作成する
会議は、各参加者が意見を述べ合い、議論を重ねていくことで結論が導き出されます。アジェンダを作成する時点で、どのように会議が進められるのかを想定しておくことが重要です。
例えば、以下のような点を意識するとよいでしょう。

・各参加者の情報・認識を一致させるために、最初に「前回の振り返り」や「現状の再確認」といった時間を盛り込む
・質の高い議論ができるよう、議題を詰め込みすぎず、ゆとりのある時間配分にする
・参加者の疑問を解消し、納得度を高めるために質疑応答の時間を設ける

・事前共有を徹底する
よりよい議論のためにも、当日や直前でのアジェンダ共有は避け、なるべく早めに配布しましょう。また、内容に変更があった場合には、速やかに周知することが大切です。

まとめ

アジェンダは、会議のスムーズな進行、質の向上に欠かせない重要な「予定表」です。実施日時や場所を共有するだけでなく、参加者にあらかじめ会議の目的や流れを把握してもらうことで、着地点が明確になり、軸のある話し合いが可能となります。アジェンダを活用し、実りある会議を実現しましょう。

■執筆者プロフィール
新保友映
新保 友映(しんぼ ともえ)
山口県岩国市出身。青山学院大学卒業後、2003年にアナウンサーとしてニッポン放送に入社。「オールナイトニッポンGOLD」のパーソナリティをはじめ、「ニッポン放送ショウアップナイター」やニュース情報番組、音楽番組など担当。2018年ニッポン放送退社後はフリーアナウンサーとして、ラジオにとどまらず、各種司会、トークショーMC、YouTube、Podcast、話し方講師など幅広く活動。科学でいじめのない世界をつくる「BE A HEROプロジェクト」特任研究員として、子どもたちの授業や大人向け講座の講師も担当している。
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