思春期の息子たちに伝えたこと
現役時代と比べて、解説者、サッカー教室、タレントと多方面で活躍する現在は、生活がずいぶん不規則になった。ただ、テレビに映る坪井の姿を見て、とりわけ11歳の娘さんはうれしそうにしているという。「現役の頃は、どうしても試合のある週末に向けて、どこかピリついた空気が家庭内に漂っていましたが、今はそれもないですからね。穏やかなもんですよ(笑)」
例えば、約束を何度も破るようなことがあれば、坪井の雷が落ちることもあるが、最低限のルールさえ守っていれば、子どもたちを縛り付けるようなことはしない。明るく、オープンな家庭でのびのびと育った2人の息子には、思春期を迎えても反抗期らしい反抗期はなかったそうだ。
「僕自身も反抗期がなかったですからね。というか、サッカーに学校行事に友達との遊びと、正直そんな暇がなかったし、親に反抗している時間がもったいなかった。だから子どもたちにも言うんです。そんなことより、他にエネルギーを使うところがあるでしょって。そして反抗するなら、それなりの根拠をもってきなさいとも」
進むべき道は自分で決め、責任と覚悟を持ってやればいい
では、子どもたちには将来、どんな大人になってほしいのだろうか。「正直、こんな風に育てたいというのは特にないですね。最低限の礼儀をわきまえ、人を不愉快にしないような大人になってくれれば。先ほども言いましたけど、自分の進むべき道は自分で決めればいいし、決めたからには、そこに責任と覚悟を持ってやりなさいと、それだけですね」
「ただ、娘には甘いですよ(笑)。冗談半分ですけど、娘が生まれた時、息子たちを呼んで言いましたもん。『いいか、お前たちとは育て方を変えるからな』って(笑)」