アスリートの育て方 第8回

僕は放任主義で育ったけど…元サッカー日本代表で3児の父・坪井慶介が、最近の子育てに思うこと【独占インタビュー】

アスリートが「どう育てられたのか」、そして「どう子どもを育てているのか」について聞く連載【アスリートの育て方】。今回は、元サッカー日本代表の坪井慶介さんに、どのような教育方針のもとで2男1女のわが子を育てているのか「子育て論」を聞いた。

思春期の息子たちに伝えたこと

現役時代と比べて、解説者、サッカー教室、タレントと多方面で活躍する現在は、生活がずいぶん不規則になった。ただ、テレビに映る坪井の姿を見て、とりわけ11歳の娘さんはうれしそうにしているという。
 
「現役の頃は、どうしても試合のある週末に向けて、どこかピリついた空気が家庭内に漂っていましたが、今はそれもないですからね。穏やかなもんですよ(笑)」
 
例えば、約束を何度も破るようなことがあれば、坪井の雷が落ちることもあるが、最低限のルールさえ守っていれば、子どもたちを縛り付けるようなことはしない。明るく、オープンな家庭でのびのびと育った2人の息子には、思春期を迎えても反抗期らしい反抗期はなかったそうだ。
 
「僕自身も反抗期がなかったですからね。というか、サッカーに学校行事に友達との遊びと、正直そんな暇がなかったし、親に反抗している時間がもったいなかった。だから子どもたちにも言うんです。そんなことより、他にエネルギーを使うところがあるでしょって。そして反抗するなら、それなりの根拠をもってきなさいとも」
「親に反抗するなら、他のことにエネルギーを使ってほしい」と坪井慶介さん
「親に反抗するなら、他のことにエネルギーを使ってほしい」と坪井慶介さん

進むべき道は自分で決め、責任と覚悟を持ってやればいい

では、子どもたちには将来、どんな大人になってほしいのだろうか。
 
「正直、こんな風に育てたいというのは特にないですね。最低限の礼儀をわきまえ、人を不愉快にしないような大人になってくれれば。先ほども言いましたけど、自分の進むべき道は自分で決めればいいし、決めたからには、そこに責任と覚悟を持ってやりなさいと、それだけですね」
 
「ただ、娘には甘いですよ(笑)。冗談半分ですけど、娘が生まれた時、息子たちを呼んで言いましたもん。『いいか、お前たちとは育て方を変えるからな』って(笑)」
次ページ
今の親子を見ていて思うこと
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

連載バックナンバー

Pick up

注目の連載

  • 「港区女子」というビジネスキャリア

    深刻な男女賃金格差から「港区活動」を“就職先”にする危険性。港区女子になれなかった女子大生の末路

  • ヒナタカの雑食系映画論

    草なぎ剛主演映画『碁盤斬り』が最高傑作になった7つの理由。『孤狼の血』白石和彌監督との好相性

  • 世界を知れば日本が見える

    もはや「素晴らしいニッポン」は建前か。インバウンド急拡大の今、外国人に聞いた「日本の嫌いなところ」

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    外国人観光客向け「二重価格」は海外にも存在するが……在欧日本人が経験した「三重価格」の塩対応