「シュリンク」の意味とは? 使い方や例文、言い換え表現を解説【ビジネス用語】

英語の「シュリンク(shrink)」とは、「縮む」「減る」「小さくなる」「ひるむ」「しり込みする」という意味の動詞で、ビジネスシーンにおける「シュリンク」は、基本的に「縮む」「小さくなる」というニュアンスで使われます。シーン別の意味や使い方を詳しく解説します。

シュリンクとは
「シュリンク」の意味、正しい使い方とは

ビジネス上で使われる「シュリンク」という言葉。耳にしたことはあるけど何のことかよく分からない、という人もいるのではないでしょうか。英語の「シュリンク(shrink)」は「縮む」「圧縮する」「小さくなる」と訳せますが、ビジネスではどんなシーンでどのように使うのか、現役フリーアナウンサーの酒井千佳が詳しく解説します。

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<目次>
「シュリンク」の意味とは?
ビジネスシーン別「シュリンク」の使い方
ビジネス用語「シュリンク」の使い方と例文
「シュリンク」の類語・言い換え表現
「シュリンク」の関連用語
まとめ

「シュリンク」の意味とは?

ビジネスシーンにおける「シュリンク」とは、業界によって少しずつ意味合いが違ってきますが、基本的に「縮む」「小さくなる」というようなニュアンスになります。

シュリンクとは、もともと英語の「shrink」からきている言葉で、「shrink」は「縮む」「減る」「小さくなる」「ひるむ」「しり込みする」という意味の動詞です。

ビジネスシーン別「シュリンク」の使い方

「シュリンク」の意味は業界によって少しずつ違ってきます。マイナスの意味だけでなく、プラスの意味で使われる場合もあります。
 

・データ
データで「シュリンク」というのは、データのサイズを小さくしたり、圧縮したりすることを指します。シュリンクすることで、データの保存スペースを節約したり、データの転送や処理を効率化したりします。データのストレージや転送など、さまざまな場面でデータの「シュリンク」は活用されています。


・半導体チップ

半導体業界では、ICチップの加工技術によって、同じ回路図でも小さな面積のチップを製造することを「シュリンクする」といいます。シュリンクすることにより、チップを効率的に作れるためコストは削減でき、チップの性能は向上します。


・包装や加工

包装や加工でも「シュリンク」という言葉が使われます。透明なプラスチックフィルムを使って商品にぴっちりとフィットするように包み込み、フィルムを収縮させて包装する方法をシュリンク包装といい、この工程で熱や圧力によって密着させる加工をシュリンクといいます。商品をシュリンク包装することで、鮮度が保たれるようにしたり、盗難防止や防水性を高めたりします。


・契約

「シュリンクラップ契約」という言葉もあります。これはCD-ROMなどソフトウェアがシュリンク包装されているフィルムを購入者がパッケージを開封した時点で、使用許諾契約に同意したとみなすという契約方法です。

ビジネス用語「シュリンク」の使い方と例文

ビジネスシーンでは事業規模や市場が縮小したり、業績が下がったりすることを「シュリンクする」「シュリンクした」という形で表します。つまり業界が「シュリンク」するとビジネス上では危機的な状況です。

ビジネス上で使う「シュリンク」の例文を見てみましょう。


【例文】

「新型コロナウイルスによる打撃で飲食業界は一時シュリンクした」
「シュリンクしている日本経済だが、今後は回復基調に戻る見通しだ」

一般的にはこのようにネガティブな使われ方をします。


【例文】

「データをシュリンクして取引先に送ってください」
「この雑誌はシュリンク包装されています」

このように、「減る」「小さくなる」という本来の意味から派生して、業界によってさまざまな使われ方をします。

「シュリンク」の類語・言い換え表現

「シュリンク」と似ている言葉がいくつかあります。

・スポイル

「スポイル」とは「役に立たなくする、台無しにする」の意味で使われます。マイナスの意味で使う「シュリンク」と似ていますが、「スポイル」はダメになることを指します。


・ディミニッシュ

「ディミニッシュ」とは「減少する」「弱くなる」という意味の言葉です。ビジネスシーンではあまり使うことはなく、音程が狭い和音の音楽用語としてよく使われています。


・ディクリース

「衰える」「減少する」という意味で使われる「ディクリース」とは、だんだんと自然に減っていくときに使用されます。


・リデュース

環境問題に関連した言葉として耳にすることも多い「リデュース」とは、ゴミの量を少なくすることを表すときによく使われますが、「リデュース」は「減らす」という意味で、誰かが意図的に減らすときに使う言葉です。

「シュリンク」の関連用語

・シュリンク包装

「シュリンク包装」とは透明な薄いフィルムで外装をすっぽり覆い、圧縮することでぴっちりと密着させて包装することです。書店でマンガや雑誌が「シュリンク包装」されているのを見たことがある人も多いと思います。


・シュリンク市場

縮小した市場のことを「シュリンク市場」と呼びます。「ガラケーはシュリンク市場になった」などといいます。


・シュリンクレザー

シュリンクレザーとは、表面を加工して細かいシワをつけたなめし革のことです。この加工をシュリンク加工といい、加工された皮をシュリンクレザーと呼びます。

まとめ

今回ご紹介した「シュリンク」は、英単語から派生してさまざまな業界で独自の使われ方をしています。基本的にはネガティブな意味を持つことが多いですが、場合によってはプラスのシーンで使われることもあります。それぞれの意味を把握して正しく理解しましょう。


■執筆者プロフィール
酒井千佳
酒井 千佳(さかい ちか)
フリーキャスター、気象予報士、保育士。京都大学 工学部建築学科卒業。北陸放送アナウンサー、テレビ大阪アナウンサーを経て2012年よりフリーキャスターに。NHK「おはよう日本」、フジテレビ「Live news it」、読売テレビ「ミヤネ屋」などで気象キャスターを務めた。現在は株式会社トウキト代表として陶芸の普及に努めているほか、2歳からの空の教室「そらり」を主宰、子どもの防災教育にも携わっている。
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