ブレストとは? 意味や目的、メリット・効果的な進め方・ルールをわかりやすく解説

「ブレスト」とは「ブレインストーミング(brainstorming)」を略した言葉で、複数の人が参加して、たくさんの自由なアイデアを出し合うことで、新しい考え方や創造的な発想、解決策を生み出す会議の手法です。「ブレスト」の意味や、メリット、実際に行う場合の進め方などを解説します。

ブレストの意味とは
ブレスト(ブレインストーミング)の意味を解説

ビジネスに会議はつきもの。その中でも画期的なアイデアを生み出す手法の1つに「ブレスト」があります。今回は「ブレスト」の意味や、メリット、実際に行う場合の進め方などをフリーアナウンサーで日本語教師の阿部佳乃が解説していきます。

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<目次>
ビジネス用語「ブレスト(ブレインストーミング)」の意味とは?
ブレストを行う目的とメリットについて
ブレストを行うときのルール
ブレストの効果的な進め方
まとめ

ビジネス用語「ブレスト(ブレインストーミング)」の意味とは?

「ブレスト」とは「ブレインストーミング(brainstorming)」を略した言葉で、複数の人が参加して、たくさんの自由なアイデアを出し合うことで、新しい考え方や創造的な発想、解決策を生み出す会議の手法です。

「ブレインストーミング」というのは英語「brain(脳)」と「storm(嵐)」を合わせた造語で、1950年ごろに、アメリカの実業家アレックス・F・オズボーンが考案しました。直訳すると「脳の嵐」となりますが、「ブレインストーミング」の特徴は、嵐のようにとにかくたくさんのアイデアを出すことにあります。

「ブレスト」をより効果的に行うためには、立場に関係なく自由にアイデアを出し合えるような進行の仕方や、他人の意見を互いに受け入れる環境づくりが重要になります。効果的にブレストを行うためのルールやポイントは後述します。

ブレストを行う目的とメリットについて

「ブレスト」をより効果的に活用するためには、「ブレスト」を行うメリットや、何を目的として行うものであるか正しく理解しておく必要があります。

・目的は創造的なアイデアを出し合うこと
「ブレスト」を行う目的は、自由な発想でとにかく多くのアイデアを出すことです。バックグラウンドや専門領域が違う人たちが集まり、それぞれの視点からどんどん意見を出すことで、議論の場に出るアイデアも多様なものとなり、個人では思いつけないような発展的なアイデアを生み出すことができます。

「ブレスト」では、場で出た意見を1つに集約し、結論を出すことや意見をまとめることは目的としません。多くの会議では意見をまとめることや、結論を出すことに主眼が置かれますが、「ブレスト」では、1つの結論を決めることではなく、多様な意見やアイデアを出していく過程を重視します。

・コミュニケーションの活性化が期待できる
多様な意見を出し合う「ブレスト」では、他人の意見を否定しないことが重視されます。そのために守るべきルールも決められていて、自由に発言することの安全性が保たれています。普段であれば「経験の浅い自分の意見なんて大したことはないだろう」とか、「どうせ誰かに否定されるだろう」などと発言をためらうようなことでも、とにかく議論の場に上げることが期待されますので、積極的に発言しコミュニケーションをとることにつながります。

さまざまな視点の意見が数多く出されることで、そこからさらに発想が広がり、ほかのアイデアにつながることもあります。活発なコミュニケーションによって互いに刺激し合い、より多様で豊かな発想を生み出すことこそが、「ブレスト」の最大のメリットです。

ブレストを行うときのルール

効果的な「ブレスト」を行うためには、さまざまな立場の人が自由に多くの意見を出し合うことが重要ですが、そのためには議論を進行する上でのポイントや守るべきルールがあります。

・アイデアを否定せず傾聴する姿勢をとる
「ブレスト」で多くのアイデアを引き出すために非常に重要なことが「アイデアを否定しない」ということです。どんなアイデアであっても、まずは肯定的に受け止めることで、「どうせ否定される」「大した意見じゃないから言うだけ無駄」というように発言をためらう空気を払拭できます。

ブレストにおいては発想の飛躍は歓迎すべきことです。突拍子もない意見や、現時点では実現の可能性が低いようなアイデアだったとしても、その発想の中に新たなアイデアのヒントが隠れていたり、ほかの人のアイデアを補強する要素が入っていることがあります。どんなアイデアであっても否定や批判はせずに、まずは受け入れる姿勢を持つことが非常に重要です。

・ほかのアイデアと組み合わせる
「ブレスト」で提案するアイデアは、必ずしも全てが自分個人のオリジナルである必要はありません。ほかの人から面白いアイデアが出てきたときに、ほかのアイデアと組み合わせて、さらに新しい発想を生み出すことも重要です。

単独では非現実的に思えるようなアイデアだとしても、ほかの人の視点を加えたり、別の角度から検討を加えることで現実的な形になる場合もあります。複数のアイデアを組み合わせて考えることは議論を活発にすることにもつながり、参加者のモチベーションを高める意味でも重要です。

・アイデアは「質より量」を意識する
「ブレスト」の場で重要なのは、とにかくたくさんのアイデアを議論の場に出すことです。1つ1つのアイデアは、必ずしも質が高く、良いものである必要はありません。

ここまで説明してきたように、単体では非現実的なアイデアであっても、ほかの人の発想と組み合わせることでより良いものになることもあります。熟考して最善の一手を提案するよりも、思考の過程で生まれるさまざまな発想を積極的に議論の場にのせていくことで、ほかの人へのヒントになることもあります。

「ブレスト」では、結論を出すことを目的とせず、柔軟で自由なアイデアを、どんなにささいなものであってもどんどん提案していくことが重要です。

ブレストの効果的な進め方

これらのルールを守った上で、実際に「ブレスト」を進行するときには次のようなポイントを押さえると、より効果的な議論を行うことができます。

・「進行役」と「書記」の設定
「進行役」は参加者がアイデアを出しやすいように意見を促したり、テーマから議論が逸脱しすぎないように軌道修正をしたりします。また、「書記」は「ブレスト」の場で出たさまざまな意見を記録します。その際には、ホワイトボードを使うなど、参加者が誰でも確認できる形で記録をとることで、新たな発想のヒントにつながることもあります。

「進行役」と「書記」は必ずしも別の人である必要はなく、2つの役割を兼務する場合もあります。

・目的やテーマの明確化
「ブレスト」で設定する目的は、できるだけ具体的なものである方が望ましいです。参加者が議論の焦点を共通認識としてしっかり持つためにも、具体的なテーマの設定を行うことは重要です。

例えば、「業績の改善」というような漠然としたものよりは、「この商品の売り上げを前年比で2割増加させるための販売施策」などのように具体的に設定した方が、より効果的な議論につながるでしょう。

・新しいアイデアが出なくなるまで議論を続ける
「ブレスト」では、たくさんのアイデアを議論の場に出すことを目的としますので、時間を区切って決められた時間内で終わらせるのではなく、アイデアが出る限りは続けるというのが望ましい形です。

より多くのアイデアを引き出すためには、コーヒーブレイクを挟んで気分転換をしたり、日時や時間を分けて複数回行ったりするのもよいでしょう。

まとめ

複数の人でアイデアを出し合うことで、個人では思いつけないような発想を生み出すことができる「ブレスト」。多様化する社会の中でビジネスを行う上では、さまざまな視点を取り入れることの重要性は高まっています。「ブレスト」をより効果的に活用するために、より多くの意見が出るように、今回ご紹介したような、守るべきルールや進行のポイントも参考にしてみてください。

■執筆者プロフィール
阿部佳乃
阿部 佳乃(あべ よしの)
アナウンサー×日本語教師/元TBSテレビあさチャン!報道リポーター。大学卒業後、佐渡ケーブルテレビを経て、UX新潟テレビ21/NHK水戸放送局キャスター/とちぎテレビアナウンサー。現在は、アナウンス講師、ナレーター、イベント司会等、フリーランスで活動しながら、大学や日本語学校で留学生に「日本語」を教えている。趣味は、旅行(47都道府県制覇)と声楽、読書。
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