どうする学校?どうなの保護者? 第13回

毎年10万円も払う意味はあるのか?「抜けたいのに抜けられない」PTAが“P連”を退会するのが難しい理由

さいたま市PTA協議会が全国組織からの退会を決めたことが話題になっています。長い間、P連もPTAと同様、強制加入のような状況が続いてきましたが、近年は退会の動きと改革の動きの両方が見られるように。今回は主に市区町村のP連の状況をお伝えします。

意見交換の場だけでもいいのでは

では、結局P連は退会か改革か、どうすればいいのか? というと、そこはやはりおのおのの役員さんやPTA、P連の状況で判断するしかないでしょう。
 
改革できたらよいとは思うのですが、現実にP連を変えるのは大変なこと。多くの役員さんたちは自校のPTAも取りまとめているので、そこまで時間や労力を割けません。「今のP連では負担が大きいけれど、改革まではムリ」と判断したら、退会も当然アリでしょうし、退会するPTAが増えたときは解散も考えられるかもしれません。
 
取材してきた筆者がはっきり思うのは、役員さんが無理をしないと成り立たないことは、もうやめたほうがいいということです。分担金や、自ら手を挙げる人がいない活動は、廃止でよいのでは。ただ、近隣のPTA同士で情報共有や意見交換できる場は、やはりないよりあったほうがいいように思うので、そこだけ残すなり再編するなりしていいかもしれず。
 
なお今回は主に、市区町村のP連における退会や改革の動きを見てきました。都道府県のP連や、全国組織(日P)の退会、または改革となるとさらに難易度があがるのですが、これはまた別の機会にお伝えできればと思います。
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この記事の執筆者:大塚 玲子 プロフィール
ノンフィクションライター。主なテーマは「PTAなど保護者と学校の関係」と「いろんな形の家族」。著書は『さよなら、理不尽PTA!』『ルポ 定形外家族』『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』ほか。ひとり親。定形外かぞく(家族のダイバーシティ)代表。
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