ラーメン用語「完まく」って何のこと? 「完食」とは違うの? 【ラーメン評論家が解説】

「意外と知らないラーメン用語」の意味を、ラーメンデータバンクの取締役会長であり、自称「日本一ラーメンを食べた男」として多くのメディアに出演している大崎裕史が解説します。今回取り上げる用語は「完まく」です。

国民食といっても過言ではないほど、日本中で愛される料理・ラーメン。日常的に食べている人も多いのではないでしょうか。
かんまく
ラーメン用語「完まく」って何?
しかし一方で、ラーメンにまつわる用語の意味まで正しく理解できている人はそれほど多くないかもしれません。そんな「意外と知らないラーメン用語」の意味を、ラーメンデータバンクの取締役会長であり、自称「日本一ラーメンを食べた男」として多くのメディアに出演している大崎裕史が解説します。

「完まく」ってどういう意味?

完まく
「完まく」という言葉を知っているか
All About ニュース編集部は、全国の10〜70代の男女500人に「かんまく」という言葉を知っているか調査を実施。その結果、「知っている」と回答した人が25%、「知らない」と回答した人が75%という結果となりました。大半の人がこの言葉を知らないようです。

「知らない」と回答した人にどんな意味だと思うか聞いてみたところ、「スープ表面に油の膜がはっている状態」(40代男性/神奈川県)、「麺を切る前に一塊にすること」(40代女性/山口県)といった回答が集まりました。この中に正解の意味はあるのでしょうか?

「完まく」とはラーメンのスープまで飲み干すこと

完まくとは「ラーメンのスープまで飲み干すこと」です。

インターネットが普及し始めた頃、麺と具はもちろん、スープまで全部飲み干し、丼を空(から)にすることを「完食」と呼び始め、「おいしい」の別な表現として使われるようになりました。

同じような時期にテレビの大食い番組でも、食べ物を全部食べきることを「完食」と呼んでいました。しかし、ラーメンに関してはスープまで飲み干すことを危険として、スープは飲まなくても、麺と具だけを食べきれば「完食」と呼ぶようになったのです。その影響で、スープを飲み干すことを新たに「完飲」と呼ぶようになっていきました。

スープだけを飲み干して麺を残す、という食べ方はほとんどないので完飲=完食ではありますが、その後も「完食完飲」という表現が出てきたり、スープまで飲み干すことを「汁完」と呼ぶ人が出てくるなど、さまざまな呼び方が出てきました。

町田商店と「完まく」の登場

そんな中、ギフトホールディングスがチェーン展開する「町田商店」グループでは、スープまで飲み干すことを「完全まくり」の略で「完まく」と呼ぶようになりました。「まくる」は競馬用語で中団・後方にいた馬が最後の直線コースで一気に抜き返すこと。それが転じてスープまで飲み干すことを「完まく」と呼ぶようになりました。
 
「完まく」するとカードにスタンプを一個押してもらえ、集めるとラーメン一杯が無料になるサービスなどがあり、ファンの間で広まりました。また、飲み干すとスタッフから「完まくありがとうございま〜す」などとコールされることもあります。元々はグループ内での言葉でしたが、店舗数が増えるとともに使う人も増加。別のお店で使う人も登場し、今では「完まく」という言葉が一人歩きしています。
 
この記事の筆者:大崎 裕史
株式会社ラーメンデータバンク取締役会長。28,500杯(2023年11月末現在)を食破した自称「日本一ラーメンを食べた男」として、メディアで幅広く活動中。
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