一度は食べてみたい……! ラーメン界を大きく変えた「96年組」3店舗って? 【ラーメン評論家が解説】

「意外と知らないラーメン用語」の意味を、ラーメンデータバンクの取締役会長であり、自称「日本一ラーメンを食べた男」として多くのメディアに出演している大崎裕史が解説します。今回取り上げる用語は「96年組」です。

国民食といっても過言ではないほど、日本中で愛される料理・ラーメン。日常的に食べている人も多いのではないでしょうか。
「96年組」とは?
「96年組」とは?
しかし一方で、ラーメンにまつわる用語の意味まで正しく理解できている人はそれほど多くないかもしれません。そんな「意外と知らないラーメン用語」の意味を、ラーメンデータバンクの取締役会長であり、自称「日本一ラーメンを食べた男」として多くのメディアに出演している大崎裕史が解説します。

今回取り上げるラーメン用語は「96年組」です。

「96年組」ってどういう意味?

96年組とは
「96年組」という言葉を知っているか
All About ニュース編集部は、全国の10~70代の男女500人に「96年組」という言葉を知っているか調査を実施。その結果、「知っている」と回答した人が20%、「知らない」と回答した人が80%という結果となりました。大半の人がこの言葉を知らないようです。

「知らない」と回答した人にどんな意味だと思うか聞いてみたところ、「96年に流行ったお店のこと」(30代女性/東京都)、「96年生まれのラーメン店オーナーが活躍している」(40代女性/神奈川県)といった回答が集まりました。この中に正解の意味はあるのでしょうか?

96年組は「1996年にオープンした、影響力を持ったラーメン店3軒のこと」

「96年組」とは、1996年にオープンした「麺屋武蔵」(青山一丁目)、「中華そば青葉」(中野)、「くじら軒」(横浜)の3軒のことです。後にオープンするラーメン店に多大なる影響を与えた3軒で、96年以前と96年以降とではラーメンシーンがかなり変わりました。

それぞれの店が与えた影響とは?

「麺屋武蔵」は、屋号に「麺屋」を付けた元祖であり、これ以降「麺屋○○」という店名が増えていきました。ジャズを用いたBGM、元気の良い接客、季節ごとの限定メニュー、券売機、オシャレな内装やユニホームなど、多くのことに対して先鞭(せんべん)をつけていき、業界に影響を与えたラーメン店です。現在は青山一丁目には店舗はなく、15店舗を展開するグループとなっています。

「中華そば青葉」は、動物系スープと魚介系スープをブレンドして完成させる『Wスープ』を浸透させた店舗です。また、『特製』という少しずつ具を増やす、お得感のあるメニューの開発も。具体的にはチャーシューとメンマとのりを少し増量し、味付玉子を新たに加え、それで2~300円程度の価格上乗せで提供するメニューです。さらに、スープを濃いめにしてそれをつけ汁とし、ラーメンと同じ麺を水で〆て提供する「つけ麺」を一気に浸透させた店でもあります。

「くじら軒」は、神奈川淡麗系の元祖と呼ばれており、今までとは違った清湯スープ(透明感のあるスープ)での提供をした店舗です。また、香味油に付加価値を付けたり、サイドメニューにミニ丼などのご飯物メニューを増やして客単価を上げたりもしました。

上記の3店舗が「96年組」です。現在では、2011年にオープンした「ソラノイロ」「くろ㐂」「マタドール」などが「11年組」と呼ばれるなど、同年に誕生した人気の3店舗をまとめて「○年組」などとまとめられるようにもなっています。気になった人は、ぜひ一度店舗を訪れてみてはいかがでしょうか。
 
この記事の筆者:大崎 裕史
株式会社ラーメンデータバンク取締役会長。28,500杯(2023年11月末現在)を食破した自称「日本一ラーメンを食べた男」として、メディアで幅広く活動中。
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