ラーメンの「和え玉」って何? 「替え玉」とは何が違うの?【ラーメン評論家が解説】

「意外と知らないラーメン用語」の意味を、ラーメンデータバンクの取締役会長であり、自称「日本一ラーメンを食べた男」として多くのメディアに出演している大崎裕史が解説します。今回取り上げる用語は「和え玉」です。

国民食といっても過言ではないほど、日本中で愛される料理・ラーメン。日常的に食べている人も多いのではないでしょうか。
「和え玉」って何?
「和え玉」って何?
しかし一方で、ラーメンにまつわる用語の意味まで正しく理解できている人はそれほど多くないかもしれません。そんな「意外と知らないラーメン用語」の意味を、ラーメンデータバンクの取締役会長であり、自称「日本一ラーメンを食べた男」として多くのメディアに出演している大崎裕史が解説します。

今回取り上げるラーメン用語は「和え玉」です。

「和え玉」の認知度は?

「和え玉」という言葉を知っているか、500人に調査した結果
「和え玉」という言葉を知っているか、500人に調査した結果
All About ニュース編集部は、全国の10~70代の男女500人に「和え玉」という言葉を知っているか調査を実施。その結果、知っている人が26%、知らない人が74%という結果となりました。認知度はそこまで高くないようです。

「知らない」と回答した人にどんな意味だと思うか聞いてみたところ、「”替え玉”という言葉をどこかの地域での方言」(30代女性/埼玉県)、「種類の違う麺(太麺と細麺、ストレート麺と縮れ麺、など)を同じ丼に入れること」(40代女性/茨城県)といった回答が集まりました。この中に正解の意味はあるのでしょうか?

「和え玉」は「まぜそばとしても食べられる替え玉の進化系」!

最近増えてきたサイドメニューの「和え玉」。これは「替え玉」の進化型です。

まずは「替え玉」について解説しましょう。「替え玉」とは、博多ラーメンの中でも特に長浜地区で広まった食べ方です。博多ラーメンは細麺でだいたい一杯100グラムくらいの量になります。東京などでのラーメンの平均麺量は150グラムと言われているので、これは3分の2くらいの量。そこで、おなかがいっぱいにならない人のために「麵の追加」をするのが「替え玉」です。博多ラーメンよりも麺が少し太い久留米ラーメンでは替え玉よりも大盛りが主流になります。東京でも博多ラーメンなどの細麺以外はだいたい大盛り対応です。

そして、10年ほど前から登場したのが「和え玉」。元祖はつくばの「煮干し中華ソバ イチカワ」と言われています。これは替え玉の麺に少しタレをかけたり、ネギやチャーシューを加えることで付加価値を付け、単価を上げたり、まぜそばとしての食べ方も可能にしたものです。替え玉は博多ラーメンなどが中心でしたが、和え玉は煮干ラーメンから浸透していきました。

最近では和え玉用のタレを作り、それだけで食べられるようにして提供する店も増えています。横浜の「丿貫」(へちかん)とその関連店などで使われているほか、つくばの「つくばらーめん 鬼者語」とその系列および出身店などでも創作系「和え玉」が人気です。
     
この記事の筆者:大崎 裕史
株式会社ラーメンデータバンク取締役会長。28,500杯(2023年11月末現在)を食破した自称「日本一ラーメンを食べた男」として、メディアで幅広く活動中。
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