「今日はシャッターしてPPでした!」。ラーメン好きの呪文、一体何のこと? 【ラーメン評論家が解説】

「意外と知らないラーメン用語」の意味を、ラーメンデータバンクの取締役会長であり、自称「日本一ラーメンを食べた男」として多くのメディアに出演している大崎裕史が解説します。今回取り上げるラーメン用語は「シャッター(シャッターする)」です。

国民食といっても過言ではないほど、日本中で愛される料理・ラーメン。日常的に食べている人も多いのではないでしょうか。
「シャッター(シャッターする)」って何?
「シャッター(シャッターする)」って何?
しかし一方で、ラーメンにまつわる用語の意味まで正しく理解できている人はそれほど多くないかもしれません。そんな「意外と知らないラーメン用語」の意味を、ラーメンデータバンクの取締役会長であり、自称「日本一ラーメンを食べた男」として多くのメディアに出演している大崎裕史が解説します。

今回取り上げるラーメン用語は「シャッター(シャッターする)」です。

「シャッター(シャッターする)」の認知度は?

「天地返し」という言葉を知っているか、500人に調査した結果
「シャッター(シャッターする)」という言葉を知っているか
All About ニュース編集部は、全国の10~70代の男女500人に「シャッター(シャッターする)」という言葉を知っているか調査を実施。その結果、「知っている」と回答した人が24%、「知らない」と回答した人が76%という結果となりました。

「知らない」と回答した人にどんな意味だと思うか聞いてみたところ、「食べるのを終了するという意味」(10代女性/京都府)、「締めで食べるという意味」(30代男性/山形県)といった回答が集まりました。まるで呪文のような言葉ですが、この中に正解の意味はあるのでしょうか?

「シャッター」とは「営業開始前から並ぶこと」!

「シャッターする」とは、営業開始前から並ぶことを意味しており、「今日は〇〇軒にシャッターするぞ!」などといった形で使います。営業開始前は、シャッターが閉まっているお店が少なくないため、このような言い方をします。

「シャッターする」ことが多いのは特に人気店などに行く場合で、中途半端な時間に行って長い時間並ぶよりも、早めに行って少しでも並ぶ時間を短くする目的があります。あるいは、数量限定のメニューを狙うときなど、開店前から並ばないと食べられなくなりそうな場合にも「シャッター」します。この場合は、「明日はシャッターして限定を狙う」などと言います。

「シャッター」の先頭には特別な呼び方が……?

同じシャッターでも先頭(1番乗り)には特別な呼び方があり、これを「PP」と呼びます。これはF1などの用語と同じ「ポールポジション」のことです。会話で使う場合には「今日はピーピーでした」と言う場合もあります。ラーメン好きの人のブログやSNSなどでは「今日はシャッターしてPPでした」と書かれていることも。正確には「P.P.」なのですが、「PP」と書いてるケースが多いです。

シャッターが多い店(開店前に並ぶ人が多い店)の場合、ちょうど1回転目までに入ることが望ましく、せっかくシャッターしたのに2回転になる場合には、普通に並んだときよりも待ち時間が長くなり、非効率になります。かといって早過ぎるのも待ち時間が長くなりますから、効率の良い時間を“読む”ことも楽しみの1つです。
 
この記事の筆者:大崎 裕史
株式会社ラーメンデータバンク取締役会長。28,500杯(2023年11月末現在)を食破した自称「日本一ラーメンを食べた男」として、メディアで幅広く活動中。
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