今回取り上げるラーメン用語は「シャッター(シャッターする)」です。
「シャッター(シャッターする)」の認知度は?
「知らない」と回答した人にどんな意味だと思うか聞いてみたところ、「食べるのを終了するという意味」(10代女性/京都府)、「締めで食べるという意味」(30代男性/山形県)といった回答が集まりました。まるで呪文のような言葉ですが、この中に正解の意味はあるのでしょうか?
「シャッター」とは「営業開始前から並ぶこと」!
「シャッターする」とは、営業開始前から並ぶことを意味しており、「今日は〇〇軒にシャッターするぞ!」などといった形で使います。営業開始前は、シャッターが閉まっているお店が少なくないため、このような言い方をします。「シャッターする」ことが多いのは特に人気店などに行く場合で、中途半端な時間に行って長い時間並ぶよりも、早めに行って少しでも並ぶ時間を短くする目的があります。あるいは、数量限定のメニューを狙うときなど、開店前から並ばないと食べられなくなりそうな場合にも「シャッター」します。この場合は、「明日はシャッターして限定を狙う」などと言います。
「シャッター」の先頭には特別な呼び方が……?
同じシャッターでも先頭(1番乗り)には特別な呼び方があり、これを「PP」と呼びます。これはF1などの用語と同じ「ポールポジション」のことです。会話で使う場合には「今日はピーピーでした」と言う場合もあります。ラーメン好きの人のブログやSNSなどでは「今日はシャッターしてPPでした」と書かれていることも。正確には「P.P.」なのですが、「PP」と書いてるケースが多いです。シャッターが多い店(開店前に並ぶ人が多い店)の場合、ちょうど1回転目までに入ることが望ましく、せっかくシャッターしたのに2回転になる場合には、普通に並んだときよりも待ち時間が長くなり、非効率になります。かといって早過ぎるのも待ち時間が長くなりますから、効率の良い時間を“読む”ことも楽しみの1つです。
この記事の筆者:大崎 裕史
株式会社ラーメンデータバンク取締役会長。28,500杯(2023年11月末現在)を食破した自称「日本一ラーメンを食べた男」として、メディアで幅広く活動中。
株式会社ラーメンデータバンク取締役会長。28,500杯(2023年11月末現在)を食破した自称「日本一ラーメンを食べた男」として、メディアで幅広く活動中。