小学生の「集団登校」。子ども同士でのトラブル、見守りの当番制など保護者間に生じる不公平、転校先の学校に集団登校がなくて困っているなど、「集団登校」に関しては、さまざまな意見が各地で飛び交っているようです。
筆者が住む地域では「集団登校」が実施されていますが、子どもたちや保護者は「集団登校」についてどう感じているのか、メリットやデメリットは何か……などについて、周囲のリアルな声を交えつつ、保護者視点から考えてみました。
確実に減少している、小学校の「集団登下校」
文部科学省の「学校安全の推進に関する計画に係る取組状況調査」(令和3年度実績)によると、全国で「集団登下校」を実施している学校は28.3%。平成30年度実施の前回調査は31.7%、さらに今から16年も前のことになりますが、平成19年度実施の調査ではで58.0%と半数以上の学校が「集団登下校」を実施していたことを考えると、年々、確実に集団登下校を実施する学校は減少していることがうかがえます。
「登校に楽しさを求めてない」子どもたちの意外な本音
人数が多いところだと、最大10人ほどにもなる登校班。先頭と最後尾を5~6年生が担当し、低学年、中学年をバランスよく挟み込みます。この並び順を考えることも年度初めの保護者の大切な仕事。ついつい話をしたくて横に並んでしまう子ども同士を離したり、1年生や歩く速度が遅くなりがちな子を先頭の班長の後ろにつけたりするなど、なるべく列を乱さずスムーズに登校できる並びを考えます。登校中は誰も口を開くことなく、ひたすら黙々と歩を進めるわけですが、この登校を「楽しくない」と思う子も中にはいるようです。ただ、筆者の周囲の小学生に話を聞いてみると、「朝は別に話したくない」「一刻も早く学校に着きたい」「登校に楽しさを求めてない」「登校班に友達いないし」など、なかなかシュールな声が多く、保護者の「何より安全第一」のニーズと偶然にも、うまく合致しているように感じました。