恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」 第91回

グリーン車の利用価値は上がる? 東海道新幹線で「モバイルオーダーサービス」を使ってみた

2023年10月31日、東海道新幹線の車内ワゴン販売が終了し、11月1日から「モバイルオーダーサービス」が始まった。グリーン車限定のサービスだが、どんなサービスなのか。早速体験してきたので、グリーン車にお得に乗る方法と共に紹介しよう。

「モバイルオーダーサービス」を使って飲食を注文 

グリーン車の車内誌は『Wedge(ウェッジ)』『ひととき』の2種類
グリーン車の車内誌は『Wedge(ウェッジ)』『ひととき』の2種類
雑誌2種はすぐに届いた。2冊とも新品だったので気分がいい。

列車が京都に停車し、何人も乗ってきて車内はにぎやかになってきた。といっても、平日の10時過ぎであるためか、相席になるほどの混み方ではなくゆったりとしている。私の隣も空いたままだ。

このあたりで、「モバイルオーダーサービス」を試してみるため、QRコードを手持ちのスマートフォンで読み取ってみた。今度はサービス画面が表示された。
お飲み物、お食事・スナックなどから1度に5品まで選べる
お飲み物、お食事・スナックなどから1度に5品まで選べる
お食事の画面からは、幕の内弁当とミックスサンドが表示された。それほど空腹ではなかったので、ミックスサンドをクリック。お飲み物画面からは、炭酸水を選んだ。コーヒーは好きではないし、紅茶はメニューになかったからである。
注文した商品を確認する。合計金額が表示される
注文した商品を確認すると合計金額が表示される
注文を確認して、確定ボタンを押すとすべてが完了する
注文内容と金額を確認して、確定ボタンを押すと全てが完了する
号車と座席番号を入力、降車駅も選ぶ。注文が殺到した場合、名古屋あたりで下車する乗客を優先するのであろう。支払いは現金またはSuica、PASMOなどの交通系電子マネーで、品物が届いた時に支払う。
注文した商品が無事に手元に届いた
注文した商品が無事に手元に届いた
5分もたたないうちに女性のパーサーがやってきた。ワゴンではなく、かばんを持っての登場である。かばんのふたを開け、注文の品をテーブルの上に並べる。確認したところで支払いをモバイルSuicaで行った。簡単なものである。

あとは、飲食しながら、雑誌を読んだり、車窓から外の景色を眺めているうちに新横浜が近付いていた。この日は富士山がきれいに見えている。車内放送でも案内していた。
富士山
乗車当日、車内から眺めた富士山

グリーン車にお得に乗る方法 

ゆったりしたグリーン車の座席 N700Sの車内
ゆったりしたグリーン車の座席 N700Sの車内
グリーン車は普通車よりもワンランク上なので料金が高いことはいうまでもない。ところが、実際にはお得に乗る方法がないわけでもない。

男性満65歳以上、女性満60歳以上であれば、ジパング俱楽部の利用が可能だ。ただし、ジパング俱楽部では「のぞみ」には自由席であっても乗れない。もっとも、乗車券だけジパング俱楽部の3割引を利用し、「のぞみ」は特急券のみ購入すると若干は安くなる。

東京~新大阪間の価格を単純に比較してみると……

・「のぞみ」普通車指定席=1万4720円(通常期)
・エクスプレス予約=1万4230円
・「ひかり」グリーン車=1万3480円(ジパング割引利用)


意外にも、「ひかり」グリーン車の方が、「のぞみ」普通車指定席よりも安くなる。シニア層ではなくても、エクスプレス会員であれば、以下の利用がお得だ。

・EXグリーン早特3ワイド=1万5940円

利用開始日の1カ月前午前10時から乗車日3日前の23時30分までに購入することになっているので、乗車することが早めに決まっているのなら利用価値がある。

「のぞみ」グリーン車の通常料金が1万9590円なので、これよりも3650円安い。

また普通車指定席よりも1220円プラスすれば利用できるので、ちょっとだけぜいたくするつもりでグリーン車に気楽に乗るビジネスマパーソンも少なからずいるようだ。
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「のぞみ」停車駅のホームに新たに設置されたもの
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