悲報(ひほう)とは? 訃報との違いや使い方、類語・言い換え表現を解説

「悲報」という言葉をインターネットのサイトでもよく見かけますが、一般的な使い方とは異なります。悲報の使い方や対義語、類義語などをフリーアナウンサーの小川厚子が解説します。

「悲報」とは? 訃報との違いや使い方、例文、対義語、類語を解説
「悲報」とは? 訃報との違いや使い方、例文、対義語、類語を解説

「悲報」という言葉をインターネットのサイトでもよく見かけますが、一般的な使い方とは異なります。悲報の使い方や対義語、類義語などをフリーアナウンサーの小川厚子が解説します。

<目次>
「悲報」の意味とは 
「悲報」と「訃報」の違い
「悲報」の使い方と例文 
「悲報」の対義語
「悲報」の類語・言い換え表現
「悲報」の英語表現
まとめ

「悲報」の意味とは 

「悲報」とは悲しい知らせのことです。人の死去の知らせなど、人を悲しみの底に突き落とすような不幸な出来事を伝える知らせです。「ひほう」と読みます。

インターネット上の掲示板やネットニュースなどで「悲報」とタイトルや見出しに使われることも多く、悲しい出来事やつらい出来事を報告する際にやや皮肉めいたニュアンスで使われています。インターネット上で多用されている俗語、ネットスラングです。

「悲報」と「訃報」の違い

「悲報」と「訃報」の違いは、「悲報」は悲しい知らせ全般を指すのに対し、「訃報」は人が亡くなったという知らせに限られます。

「訃報」の読み方は「ふほう」です。悲報は人が亡くなったときだけでなく、不慮の事故や自然災害で被災した場合にも使われます。

>訃報の正しい読み方は? 「ふほう」「とほう」「けいほう」?

「悲報」の使い方と例文 

「悲報」は悲しい知らせで、人が亡くなったときだけでなく、事故や事件に遭うこと、人が聞いて一般的に悲しむような知らせのことを指します。

【例文】
 「彼女は電話で悲報を聞いて、泣き崩れました」
 「ニュース速報で、人気タレントの悲報を聞いて驚きました」
 

「悲報」はインターネットのサイトでもよく見かけます。本来の「悲報」とは使い方が異なるネットスラングです。本来の使われ方ではなく悲劇的でセンセーショナルな出来事に対して、読者に見てもらおうとあおるような使い方をしている場合も多くあります。サイトのタイトルの前や、末尾に使われ、残念な知らせの記事の内容に対して、「かわいそう・哀れだ」というニュアンスで、やや皮肉めいた意味で使われます。

【例文】
 「悲報! 人気歌手〇〇がわずか1年で離婚を発表!」

「悲報」の対義語  

・朗報 
喜ばしくうれしい知らせのことです。朗報は受け手にとって有利な話や、お得な情報に対して使われます。将来に希望を持たせ晴れ晴れとした気分にさせるようなうれしい知らせのことです。
 

・吉報
「吉」はおめでたいことを意味しており、何かおめでたい知らせのことを表します。朗報は自分に関する出来事の通知であるのに対し、吉報は他のだれかに関する知らせです。結婚や就職、出産など縁起が良くめでたい知らせのときに使います。

・快報
喜ばしい知らせのことです。心から良かったと思えるような気持ちの良い知らせです。

「悲報」の類語・言い換え表現  

・凶報 
「凶」は良くないこと、縁起が悪いことを意味します。悪い知らせや良くないことに関する知らせという意味です。人の死去、不運な事故や事件、ことの絶望的な成り行きなど不吉で不幸な出来事を伝える悪い知らせ全般を指します。


・敗報
戦いに負けた知らせや、負け戦の報告のことです。試合や戦いなどの物事の結果が悪いときにだけ使います。人が亡くなったときの知らせには使いません。

・訃報
訃報は人が亡くなったという知らせのときのみ使います。「ふほう」と読みます。

・逝去のお知らせ
人が亡くなったという知らせのときのみ使います。「せいきょ」と読みます。

・悲しい知らせ
悲しい出来事の知らせ全般に使えます。

・悪い知らせ
良くないことを知らせるときに使います。将来への見通しを根底から否定的に変えてしまう知らせのことです。病気の告知やリストラなどが悪い知らせです。

「悲報」の英語表現

・sad news / bad news

【例文】
 I was shocked to receive the bad news.
 (悲しい知らせにショックを受けました)

 My heart ached at the sad news.
 (その悲報に心が痛みました)

まとめ

「悲報」とはただ単に悲しい知らせという意味だけでなく、インターネット上で使われるネットスラングでもあります。やや皮肉めいた使われ方をします。同じ「悲報」でも使い方が異なることを覚えておくといいでしょう。また、普段使うときは、「悲報」と「訃報」の使い方には注意が必要で、「悲報」が一般的な悲しい知らせに対して、「訃報」は人が亡くなったときにのみ使える言葉です。


■執筆者プロフィール
担当ライター
小川厚子(おがわあつこ)
元NHK岡山放送局キャスター/NHK情報番組メインキャスター/NHKニュースセブンリポーター/NHKラジオ第一ニュース/NHKラジオ第一あさいちばんリポーター。退局後は、POLA・阪急不動産インフォマーシャル・グリコラジオCM・ナレーション、テレビドラマアナウンサー役などフリーアナウンサーとして活動中。こどもアナウンス発声協会講師/印象力アップアドバイザー/神戸市立中学校放送部部活動指導員/企業研修等、話し方講師として活動中。
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