【ラー博】14年ぶりに札幌「けやき」が出店! ラー博スタッフが驚愕した新時代の札幌味噌ラーメン

新横浜ラーメン博物館「あの銘店をもう一度“銘店シリーズ”」第25弾は、北海道・札幌「けやき」。和食店店主による「五感に訴える一品料理としてのラーメン」が味わえます。

新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)は2024年に迎える30周年に向けて、2022年7月1日から「あの銘店をもう一度」プロジェクトをスタート。過去に出店したことのある約40店舗の銘店が2年間かけてリレー形式でラー博に出店します。

2023年11月21日~12月11日の「あの銘店をもう一度“銘店シリーズ”」第25弾は、北海道・札幌「けやき」が出店。五感に訴える一品料理としてのラーメンが味わえます(画像は全て提供)。

北海道・札幌「けやき」について

ラー博出店時の味噌ラーメン(2005年撮影)
ラー博出店時の味噌ラーメン(2005年撮影)

「けやき」の誕生は1999年11月のこと。創業者の似鳥栄喜(にとり えいき)さんは1983年に創作和食店「わびさび」を開業し、繁盛店へと成長させました。が、似鳥さんは「わびさび」を手放し、「けやき」を始めます。

そのきっかけは、観光客から立て続けに味噌(みそ)ラーメンのおいしい店を聞かれ、それならば自分が納得できる味噌ラーメンを作ってみよう、という軽い気持ちだったというから驚きです。

「けやき」創業者の似鳥栄喜さん(2004年撮影)
「けやき」創業者の似鳥栄喜さん(2004年撮影)

「いざラーメンを作ってみるとこれが非常に難しい。味はどんどん変化して、全く安定しない。最初は店の締め料理になれば、という気持ちでしたが、その奥の深さに魅せられ、気づいたら2年もの時間を費やしてしまいました。味噌ラーメンの聖地で味噌ラーメンを極めたいという思いが強くなりました」と、似鳥さんは当時を振り返ります。

すすきの本店の行列(2004年撮影)
すすきの本店の行列(2004年撮影)

「けやき(欅)」という屋号には「欅の幹のように太く硬く、根がしっかりしていて揺るがない、1本の木のようにありたい」との思いが込められています。

「けやき」のラーメンのテーマは「五感に訴える一品料理としてのラーメン」。その味は創業25年経った現在も多くの人を魅了しています。

「すみれ」卒業後、ラー博で味噌ラーメンの文化を繋いだ店

欅の木を基調に作られた内装(ラー博店/2004年)
欅の木を基調に作られた内装(ラー博店/2004年)

「けやき」がラー博に出店したのは2004年12月。その年の10月に、1994年のラー博開業時から出店していた札幌「すみれ」が卒業し、その後を受け継ぐ形として出店しました。

「すみれ」卒業が決まった段階で、ラー博スタッフは札幌じゅうのラーメンを食べ歩きます。その中で白羽の矢が立ったのが「けやき」でした。

ラー博スタッフは2000年に初めて「けやき」のラーメンを食べ、「オープンしてまだ新しいお店ですが、新時代を象徴する味噌ラーメン専門店」と取材メモに書き残していたそう。同店の味噌ラーメンは、全国各地のラーメンを知るラー博スタッフにとっても表現する言葉が見つからないほど斬新なものだったのです。創業5年のラーメン店を誘致するのは、ラー博初(当時)のことでもありました。

ラー博出店時のキャッチコピーは「味噌ラーメン新時代。ラー博が出した答え」。その「答え」とは、札幌味噌ラーメンの文化を繋いでいくお店として、ラー博がけやきを選んだ、という意味です。筆者はオープン時に訪れましたが、トッピングの野菜の甘さに驚いた記憶が蘇りました。BGMがビートルズだったことも。「けやき」は2009年3月まで出店します。

ちなみにその後は、「らーめんの駅」(2009年4月~2012年8月)、「すみれ」(2012年8月~2018年12月)と続きました。

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視覚で胃が刺激される美しいラーメン
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