そして、2024年1月期からスタートするのが、『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』です。西島秀俊さんが主演を務め、夏目俊平を演じます。また、俊平の娘・響は、2011年放送の『南極大陸』以来の日曜劇場出演となる芦田愛菜さんが務めることが発表されました。
芦田さんは、2023年7月期に放送された『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)でも抜群の演技を見せ、今回は満を持して日曜劇場への参加となります。
この記事では、これまでの芦田さんの芸能活動を振り返りながら、元テレビ局スタッフが俳優としての魅力に迫っていきたいと思います。
『Mother』で見せた“天才子役”の片りん
芦田さんといえば、子役時代に主演を務めた『マルモのおきて』(フジテレビ系)での活躍を思い出す人も多いかと思います。ただ、芦田さんの「天才子役」としてのスタートは、『マルモのおきて』よりも少し前にさかのぼります。テレビ関係者の間で、「芦田愛菜」の名前が広まったのは、2010年に放送された『Mother』(日本テレビ系)でした。芦田さんは道木怜南役を担当。ドラマは、坂元裕二さんのオリジナル脚本で、北海道の小学校を舞台にネグレクトを題材にした社会派の作品となりました。
芦田さんは撮影時に弱冠5歳ながら、親から厳しい虐待を受け、それでも懸命に生きようとする怜南を熱演。ストーリーを追うごとに奈緒のことを母親として認識していく演技を、見事に表現しました。
また、作品で見せた「泣きの演技」で評価を上げ、「第65回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」新人賞など、多くの賞を受賞。天才子役が誕生した瞬間となりました。
『マルモのおきて』の大ヒットで注目を集める
その後、同じく坂元裕二さんが描いた『さよならぼくたちのようちえん』(日本テレビ系)で主演を務め、大人顔負けの演技で幼稚園版「スタンド・バイ・ミー」を作り出した芦田さん。そして、転機となる『マルモのおきて』では、また違った俳優としての顔を見せます。薫は友樹の姉で、泣き虫の弟を守るため無理をしながら明るく気丈に振る舞う子ども。ただ、時おり見せる悲しさや戸惑いの表情が魅力的で、父を亡くした喪失感もしっかりと演じました。このドラマで、芦田さんは多くの場面で阿部さんと絶妙なコンビネーションを見せ、作品に彩りを与えています。
天才子役として注目を集めた芦田さんは、『明日、ママがいない』(日本テレビ系)、『24時間テレビ』(日本テレビ系)内のドラマスペシャル『はなちゃんのみそ汁』、さらに映画作品などで順調に俳優としてのキャリアを重ねます。
学業と芸能の両立を実現
ただ、中高生へと成長する中で、多くの視聴者が目にしたのはバラエティ番組やCMなどで輝く芦田さんだったのではないでしょうか?多くの人がニュースなどでも知った通り、芦田さんは学業もおろそかにせず、都内の超有名進学校に入学。その都合で、ドラマや映画への出演は少なくなりはじめ、時間の取りやすいバラエティ番組やCMで活躍することになります。
そんな中、2023年4月には、難関の慶應義塾大学法学部政治学科へ入学。中高生時代よりは時間に余裕ができたからか、芦田さんはある挑戦をします。それが、2023年7月期に放送されたドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』への出演です。