子どもの「iPhone」も危険に!? Appleが反対声明を出す「サイドローディング」とは

政府は現在、Appleに対してApp Store以外の他社によるアプリストアも利用できるように義務付ける法案を提出する方向で調整している。なぜ政府が他社のアプリストアを認めさせようとしているのか。

もし「サイドローディング」が認められたらどうなるか

他のアプリストアからのアプリをインストールできるようになった場合、消費者のデータの獲得にビジネスモデルを依存している業者がアプリを配信する可能性がある。ユーザーの同意なしにデータのトラッキングを行うアプリが数多く発生するかもしれない。

筆者が保護者からよく聞かれることの1つに、「アプリをダウンロードする際の注意点」がある。iPhoneの場合はApp Storeからのインストールに限られており、審査を経たアプリしか使えない。これは必ずしもITリテラシーが高くない一般の家庭にとっては、かけがえのない安心感だ。

アプリのフィルタリングに関しても、年齢に応じて正しく動作する。誰もが安心できるiPhoneが、サイドローディングにより常に注意を払うべきデバイスに変わり果ててしまう。GIGAスクール構想で小学生以上に配布されているiPadが、不正なアプリにより正しく動作しなくなった場合、学校だけで対応できるとも思えない。
 

欧州の事例を見てからでも遅くはない

欧州では、欧州連合(EU)がAppleなどの大手IT企業に対し、サイドローディングを含めた「デジタル市場法(DMA)」に基づいた業務改善に関する対応を、2024年3月までに求めている。先行している欧州で起きる出来事を見てから、日本の進むべき道を検討しても遅くはない。
 

この記事の筆者:鈴木 朋子
ITライター・スマホ安全アドバイザー。スマホ、SNS、Webサービスなど、身近なITに関する記事を執筆している。初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説することに定評がある。中高生のスマホ事情にも詳しく、2人の娘を持つ母親でもある。

 

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