近年、家電量販店や携帯電話会社のショップで見かける「実質1円」のiPhone。Apple Storeでは数万円で売られているような端末が1円で買えるとは、どういうことなのでしょうか? 携帯電話・スマートフォンの専門家で「All About」ガイドの佐野正弘が回答します。
(今回の質問)
「実質1円」のiPhoneってどういうこと? 本当にお得なの?
(回答)
あくまで「実質」。一定期間が経過した後にiPhoneを返さないと、1円では利用できません。
携帯会社の変更&iPhoneの途中返却で「1円」に
実質1円で販売されているスマートフォンには、以下の3つの値引きが適用されるのが一般的です。
1. iPhoneそのものを大幅値引き
販売店でiPhoneの価格を大幅に引き下げ、誰でも安く買えるようにします。
2. 携帯会社を変更することによる「値引き」の適用
主として番号ポータビリティ(※)で販売店が指定している携帯会社に変更する際、法律で定められた額の上限(約2万円)まで値引きが適用されます。
※番号ポータビリティ(MNP)……携帯会社を変更する際、電話番号は変更しないまま、変更後の携帯会社のサービスを利用できる制度
3. 「端末購入プログラム」の活用
「端末購入プログラム」とは、iPhoneを長期間の分割払いで購入した場合、その途中で端末を返却するというもの。これにより、残りの支払いが不要、あるいは減額されます。
従って携帯会社を変更したり、端末を返却したりしないと1円では利用できないという点には注意が必要です。
「実質1円」は規制対象に? 買えるうちに買っておくのが◎
ただ上記の値引きのうち、1の部分については2023年内に総務省によって一定の規制がなされる可能性が出てきています。いろいろと条件はあるものの、欲しいと思えるようであれば、買えるうちに買っておいた方がいいかもしれません
ちなみに筆者は、「実質1円のiPhone」の購入はアリだと考えます。今は買い替えのタイミングではないので残念ながら見送りとなりそうですが、欲しい端末が出てきた場合にはこの仕組みを利用すると思いますね。
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エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手掛けた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在は業界動向から、スマートフォン、アプリ、カルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手掛ける。