実家暮らしを選ぶ理由は、人によってさまざま。経済的な事情、自身の健康状態、家族の介護など、あらゆる事情が考えられます。中には、世間の目は気になるものの、やむを得ず実家暮らしを続けている人も。
All About ニュース編集部は、2023年7月18~27日の期間、現在実家暮らしをしている人を対象にアンケート調査を実施。毎月の生活費や貯金額、実家暮らしをしている理由などを聞きました。
今回は、埼玉県比企郡吉見町在住・36歳女性のエピソードを紹介します。
回答者のプロフィール&実家の状況
回答者本人:36歳女性在住:埼玉県比企郡吉見町
同居人数:親1人、妹2人、自分
世帯年収:自分120万円、妹220万円
実家の間取り:1軒家5LK
毎月の生活費や貯金額は?
実家に入れている生活費:なし交際費:3万円
毎月のお小遣い:2万円
毎月の貯金額:0円
貯金総額:0円
総務省統計局が発表した「家計調査報告書 家計収支編(2021年)」によると、35〜59歳女性の1カ月の平均消費支出は16万4749円です。そのうち、住居費の平均は2万5360円ですが、家賃などは地域や条件によって差が出てくるので、住居費を除いた14万円程度が回答者の属性に近い平均生活費ということになります。
回答者に、実家を出る予定の有無を聞くと、現時点では「どちらともいえない」といい、「収入が増えて100万円ぐらい貯金できたら一人暮らしできると判断する」と続けました。さらに、恋愛や結婚願望はないそうで、理由について「経済的にも健康的にも独り立ちすらできていないから」と話しました。
実家暮らしの理由は「ないないだらけだから他に選択肢がない」
現在、実家暮らしを選んでいる理由を聞くと「住まいを借りる資金も無い 交通費も無い 仕事も貯金も無い。 ないないだらけだから他に選択肢がない」とのこと。経済的な悩みが実家暮らしの大きな理由のようです。また、「家族が助けてくれるので依存していて抜け出したくない。実家にいれば少なくとも衣食住に困らないからなんとかなるので出たくない」と、本音を明かしました。
「生活費を入れたいのに……」年金暮らしの母への罪悪感
一方で、実家暮らしで苦労しているのは「家族の持ち物が邪魔で共用スペースの片付けができない。 自分の部屋の物が捨てられないのでゴミ部屋と化している」と回答。共有スペースの整理や掃除に関して不満があるといいます。また、「家族と出かけるのを断りたくなくて出費が抑えられない。三姉妹なのに家事の分担に偏りがあるが、無職なので文句は言えない」と、家事分担の苦労についても明かしました。
また、お金に関する苦労については「生活費を入れたいのに入れられないのが申し訳ない。あと大分色々なものを年金暮らしの母に買ってもらってしまっていて申し訳ない」と答え、続けて「固定資産税とか車必須の土地なので車検とか費用がかかるのに、親に払ってもらっている。家計費は常に自腹」と、具体的な生活の費用、その負担などについても話してくれました。
経済的な理由で実家暮らしを選択しているものの、共同生活の苦労、生活費を入れたくても入れられないという申し訳なさを非常に強く感じているようです。
※回答者のコメントは原文ママです
この記事の筆者:鎌田 弘 プロフィール
ニュース記事を中心に執筆中のライター。IT企業のメディア担当を経て現在に至る。All AboutおよびAll About ニュースでのライター歴は2年。