実家暮らしを選んでいる人は、さまざまな事情を抱えています。経済的な不安、自身の健康状態、家族の介護……あらゆる背景があるはず。中には、実家という安定した環境で、自己成長を実現するために実家暮らしを続けている人もいるようです。
All About ニュース編集部は、2023年7月18~27日の期間、現在実家暮らしをしている人を対象にアンケート調査を実施。毎月の生活費や貯金額、実家暮らしをしている理由などを聞きました。
今回は、大阪府枚方市在住・52歳男性のエピソードを紹介します。
回答者のプロフィール&実家の状況
回答者本人:52歳男性在住:大阪府枚方市
同居人数:親1人、自分
世帯年収:自分450万円
実家の間取り:1軒家4LDK
毎月の生活費や貯金額は?
実家に入れている生活費:5万円交際費:3万円
毎月のお小遣い:10万円
毎月の貯金額:なし
貯金総額:25万円
総務省統計局が発表した「家計調査報告書 家計収支編(2021年)」によると、35〜59歳男性の1カ月の平均消費支出は18万9753円です。そのうち、住居費の平均は2万9396円ですが、家賃などは地域や条件によって差が出てくるので、住居費を除いた16万円程度が回答者の属性に近い平均生活費ということになります。
回答者に、実家を出る予定の有無を聞くと、親の面倒を見るため、現時点では「ない」と回答。さらに、恋愛や結婚願望も「興味がない」ため、現在は「ないです」と話しました。
実家暮らしをすることで貯金ができ、経済的にも将来的にも不安が軽減
現在、実家暮らしを選んでいるのは「経済的な負担を軽減し、将来の不安を減らし、貯金を増やして自立に向けて準備するため」だといい、自立を目指していることを明かしました。また、「安定した環境で自己成長に注力し、教育やキャリアに集中できるメリットがあります」と、実家暮らしの利点についても話してくれました。さらに、「家族との絆を深め、互いの支え合いがある暖かいコミュニケーションも大切にしたいと考えています。自己の成長と家族との絆を重視しながら、より堅実な未来を築くために実家暮らしを選択しています」と続けた回答者。実家暮らしをすることによって、家族とのコミュニケーションの時間を大切にできているようです。
実家は、外部と隔離された空間? 「社会との距離」が生まれてしまう
一方で、実家暮らしで苦労していることは「個人のプライバシーが制限され、自己の独立と自己責任を実感できないことです。家族との意見衝突や過保護な状況もあり、成人としての自己確立に課題があります」と回答。また、「社会との距離感や人間関係の発展に制約があることも挙げられます」と明かしました。実家暮らしは、経済的な面では資金集めや自己投資ができる反面、外部との距離感に支障が出てしまうと感じているようです。
また、お金に関する苦労については「親に依存しないように自立し、貯金を増やす方法を見つけることです」と明かしました。自立に向け、貯金を増やすことを優先事項にしているようですね。
※回答者のコメントは原文ママです
この記事の筆者:鎌田 弘 プロフィール
ニュース記事を中心に執筆中のライター。IT企業のメディア担当を経て現在に至る。All AboutおよびAll About ニュースでのライター歴は2年。