実家暮らしを選ぶ人には、さまざまな理由があります。経済的な事情、自身の健康状態、家族の介護などあらゆる事情が考えられます。中には、実家という安定した環境で、自己成長を実現するために実家暮らしを続けている人も。
All About ニュース編集部は、2023年7月18~27日の期間、現在実家暮らしをしている人を対象にアンケート調査を実施。毎月の生活費や貯金額、実家暮らしをしている理由などを聞きました。
今回は、山梨県富士吉田市在住・51歳女性のエピソードを紹介します。
回答者のプロフィール&実家の状況
回答者本人:51歳女性在住:山梨県富士吉田市
同居人数:親2人、自分
世帯年収:自分400万円
実家の間取り:3LDK
毎月の生活費や貯金額は?
実家に入れている生活費:3万円交際費:3万円弱
毎月のお小遣い:10万円ほど
毎月の貯金額:5万円
貯金総額:1700万円
総務省統計局が発表した「家計調査報告書 家計収支編(2021年)」によると、35〜59歳女性の1カ月の平均消費支出は16万4749円です。そのうち、住居費の平均は2万5360円ですが、家賃などは地域や条件によって差が出てくるので、住居費を除いた14万円程度が回答者の属性に近い平均生活費ということになります。
回答者に、実家を出る予定の有無を聞くと、現時点では「どちらともいえない」とし、「両親が高齢になり、最近実家に戻ったばかりのため」と続けました。さらに、恋愛や結婚願望は「ない」と答え、「一度結婚に失敗して、もう懲りました」と、過去の婚姻歴についても話してくれました。
両親の高齢化に伴い実家へ。「車の運転など、危険なことはもうしてほしくない」
現在、実家暮らしを選んでいる理由は「両親ともに高齢になってきて、日々の生活を助けたり安全のため同居を始めた」と回答。高齢の親を気遣い、実家暮らしを決意したそうです。また、「車の運転など、危険なことはもうしてほしくないし、病院にも通っているので、一人っ子の私が助けないといけないと思いました」と、胸の内を明かしました。
両親の認知症が不安だが、本人たちは認めようとしない
一方で、実家暮らしで苦労していることを聞くと、「両親が少し認知症っぽいように見える」と回答。「物忘れなど激しくてとても心配しているが、本人たちはそれを認めるのが嫌なようで、『認知症関連の病院を一度でいいから受診してほしい』とお願いしているが、聞き入れてもらえない」と、親の通院に関する悩みも明かしました。しかし、お金に関する悩みは「ない」といい、「実家は持ち家でそんなに出費もない」とのこと。さらに「贅沢は出来ないけど、田舎で地味に暮らすならやって行ける」と続けました。
介護のために実家暮らしを決断する人は多数います。近い距離にいることで、親の体調の変化にも敏感に対応することができそうですね。
※回答者のコメントは原文ママです
この記事の筆者:鎌田 弘 プロフィール
ニュース記事を中心に執筆中のライター。IT企業のメディア担当を経て現在に至る。All AboutおよびAll About ニュースでのライター歴は2年。