ウェザーニュースが6月に発表した「2023年の夏の暑さの見通し」によると、今年の夏(7~9月)の平均気温は全国的に平年より高く、暑い夏になるとのこと。暑さのピークは7月下旬~8月上旬ですが、9月も残暑が厳しく、まだしばらくエアコンを使う日々が続きそうです。
夏のお供ともいえるエアコンですが、電気代を抑えエコに使うにはどのくらいの頻度でフィルター掃除をすれば良いのでしょうか。また実際にフィルター掃除をした場合/しなかった場合で電気代はどのくらい違うのでしょうか。今回は以下の質問について、「All About」白物・美容家電ガイドの田中真紀子が回答します。
(今回の質問)
エアコンのフィルター掃除をしたら、どれくらい節約できるの?
(回答)
3年間フィルター掃除をしていなかった場合、お手入れをすると48.9%の消費電力量を削減でき、1カ月当たり約800円の節約になります。
以下で詳しく解説していきましょう!
フィルター掃除は2週間に1回がおすすめ
フィルターのお手入れは、各エアコンメーカーが2週間に1回の頻度で行うことを推奨しています。しかし実際には半年に一回程度しかやってない人が大半で、日本トレンドリサーチが2023年5に行った調査ではエアコンの掃除頻度で最も多いのは「半年に1回」で33.5%。「年に1回」の人は14.2%、さらに少ない頻度の人も1.7%いることが分かっています。
フィルター掃除をしないと、ホコリなどが目詰まりしてしまい、空気のやりとりがスムーズにいかなくなってしまいます。すると、風量が弱まってエアコンの利きが悪くなり、エアコンは頑張って冷やそうと電力をたくさん使います。結果、どうしても電気代が上がってしまうことに。
部屋の中にいる人も、なかなか部屋が冷えないなと思って、ついリモコンで温度設定を下げてしまい、それが結果、電気代上昇につながってしまいます。
エアコンのフィルター掃除をしないと、消費電力量は約25%も増加
エアコンのフィルター掃除をしないと、実際にはどのくらい消費電力、電気代が上がってしまうのでしょうか。一例として、ダイキンのルームエアコンRシリーズ「うるさらX」の14畳タイプで換算した場合、フィルターを掃除しなかった場合に年間9307円も電気代が高くなることが分かっています。
ダイキンが行った実験では、約3年間フィルター掃除をしなかった場合、これをお手入れすると48.9%の消費電力量が削減され、1カ月当たり約800円分の節電になるそうです。
これを12カ月で換算すると、9600円、約1万円弱も電気代が上がってしまう計算になります。フィルターのお手入れは少し面倒かもしれませんが、実際にやってみるとそんなに難しいことでありません。ぜひ2週間に1回の頻度で行うことをおすすめします。
フィルター掃除の方法はエアコンの取り扱い説明書や各メーカーの公式サイトでも紹介されています。掃除機を使用して30分もかからずにでき、慣れれば非常に簡単です。
最近は自動フィルター自動掃除機が付いてるエアコンもありますので、どうしてもお手入れする時間がない、面倒という人は、そうした機種を選ぶのも方法の1つですね。
動画でも解説! エアコンのフィルター掃除は、電気代にどれくらい影響する?
白物家電、美容家電の専門家兼ライターとして活躍。日々発売される新製品をチェックし、製品の紹介記事やレビュー記事を雑誌やWeb、新聞などで紹介している。日常的にも話題の新製品を使うことで、ライフスタイルに合わせた選び方や、上手な採り入れ方の提案も行っており、テレビ出演も多数。