「Twitter」→「X」で何が変わる? なぜイーロン・マスク氏は「X」にこだわるのか

「Twitter」のブランドが突如「X」へと変更され、アイコンも「青い鳥」から黒字の「X」に。Twitterは今後どのように変化していくのか、イーロン・マスク氏とリンダ・ヤッカリーノCEOの発言から考察します。

iPhoneアプリの「Twitter」も「X」に

米X(元Twitter)社のイーロン・マスク氏は7月24日、Twitterの名称を「X」に変更し、アイコンも青い鳥から黒いXマークに変更しました。現時点では名称やロゴの変更にとどまるものの、29日にはiPhone版アプリもアップデートされ、突然の変更に戸惑ったユーザーも多かったのではないでしょうか。
 

今後マスク氏はTwitterのサービスをどのように刷新していくのか。なぜ「X」の名称にこだわるのか。マスク氏や同社CEOであるリンダ・ヤッカリーノ氏の発言を基に見ていきます。
 

>突然の変更に戸惑うユーザー。7月31日に朝には「XTwitter」「青い鳥さん」などがX上で話題に

 

なぜ「X」なのか?

今回の改名には以前からの伏線があり、2023年4月の時点で、Twitterはマスク氏が保有するX Holdings傘下の「X」という会社に統合されています。つまり、X社が「Twitter」というサービスを提供する状態が以前から続いており、今回の改名は社名変更ではなく、サービス名の変更だということです。
 

マスク氏にとって「X」は非常にこだわりのある呼称です。1999年、マスク氏はオンライン金融サービスと電子メール決済の会社である「X.com」を設立。PayPalと合併した後、マスク氏はPayPalと単体で呼ぶことをやめ、「X-PayPal」に改称しようとしました(社員多数の反対により実現せず)。
 

マスク氏はその後も自身の設立した宇宙開発企業に「SpaceX」と名付けるなどしています。多種多様な分野で事業を展開するマスク氏にとって、「X」という呼称はそれらを集約するための旗印であることがうかがえます。
 

「Twitter」から「X」への変更で何が変わる?

マスク氏は「Twitter」から「X」への変更について、どのように語っているのでしょうか。
 

同氏は「Twitterという名前は『140文字のメッセージが鳥のさえずりのようにやりとりされるだけだった時代』には意味があったが、現在のTwitterはそれとは大きく異なっており、ユーザーは『数時間の動画を含めたほぼあらゆるもの』を投稿できるようになった」と指摘しています。※tweetとは鳥のさえずりを意味する


また、Twitterの買収について「言論の自由を確保するためであり、万能アプリのXを加速させるためでもある」とも述べています。
 

リンダ・ヤッカリーノCEOは、Twitterの機能刷新について「Xはオーディオ、ビデオ、メッセージ、決済/銀行業務を中心とし、人工知能(AI)を搭載したものになる」と述べています。


これらの発言は、以前からマスク氏が発信していた「Twitterのスーパーアプリ化」を裏付けるものといえます。
 

スーパーアプリとは、プラットフォームとなる1つのスマホアプリにさまざまな機能を持つアプリを統合し、日常生活のあらゆる場面で利用できる統合的なアプリのことを指します。
 

代表的な事例が中国発の「WeChat」です。これはビデオチャット、ゲーム、写真共有、ライドシェア、決済、フードデリバリー、銀行、ショッピングなどのサービスを提供する包括的なアプリであり、中国人の生活にとってなくてはならないものとなっています。
 

一方で、欧米圏ではまだスーパーアプリは定着していません。マスク氏にはTwitterをそのような万能型アプリにする構想があるといわれています。今回の名称変更は、そのようなスーパーアプリ化を目指す第一歩といえるでしょう。
 

この記事の筆者:福田 正人
ソーシャルメディアやアプリを活用したインターネットサービスについてWeb記事を執筆。海外ニュースの翻訳も行う。  

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    ツッコミどころ満載で愛される『名探偵コナン 紺青の拳』、気になる5つのシーンを全力でツッコんでみた

  • どうする学校?どうなの保護者?

    【PTA免除の儀式】固まる母親を見かね「もうやめませんか?」声をあげた父親に何が起きたか

  • 世界を知れば日本が見える

    大谷翔平選手に「忖度」がないアメリカ。メディアで言及される“矛盾点”を時系列順に整理した

  • AIに負けない子の育て方

    2024年の中学入試は「弱気受験」だったというが…受験者増の人気校に見る、中受親の変化