「選考に関係ありません」採用担当者の言葉は信じてよいのか。“面談”というのも結局は選考?

就職・キャリアについてのちょっと気になる悩みや疑問に、企業や大学で「キャリアデザイン」の専門家として研修を行う筆者が回答。今回は、企業の選考中によくある「面談」について。

就職・キャリアについてのちょっと気になる悩みや疑問に、企業や大学で「キャリアデザイン」の専門家として研修を行う筆者が回答。今回は、企業の選考中によくある「面談」について

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Q. 「選考に関係ありません」って本当? “面談”というのも結局は選考ですか?

就職活動の際、企業との接点の中に採用担当者やリクルーターと「面談」が設定されることがあります。「選考に関係ありません」と言われてはいるものの、内定をもらう前の企業とのやりとりは全て選考に影響すると考え、この言葉を完全に信じている人はあまりいないのではないでしょうか。

実際のところ、「選考に関係ありません」と言われる「面談」は、本当に選考に関係ないのでしょうか?
 

A. 評価に影響することはあるかもしれませんが、面談は選考ではありません

企業が選考中の応募者に「面談」を設定する目的は大きく分けて2つあります。1つは「応募者の経験や状態をさらによく知るため」。これは本来は面接でのコミュニケーションを通じて、その人の経験や自社への志望度などを聞けばよいのですが、グループ面接や1次選考での個別面接では1人の応募者に費やすことのできる時間はせいぜい10~30分と短いです。その限られた時間の中で応募者のことを理解するのは簡単ではありません。

応募者も面接の場面では緊張もしており、うまく話せない場合や、建前で志望度が高いと言ってしまうなども起こりがちです。そのようなことを考慮して、リラックスした状態で応募者の経験や本音をフラットに聞くために「面談」が設定されることがあります。

もう1つの理由は「応募者の入社動機を高めるため」。採用したいと思う応募者に、個別接点を持つ社員をつけて、自社の魅力を伝えてもらい興味を持ってもらうようにするための面談です。面接では基本的に応募者が話すことが多いですが、面談であれば応募者も社員にいろいろと聞きたいことも聞けるので、相互コミュニケーションを取りやすくなります。

本来面談は、企業側が採用したいと思っている応募者に対して設定されることが一般的です。そのため、面談で話した内容で不合格になるということは基本的にはありません。ただ面談での様子や志望度などは、後から採用担当者にも共有されることが一般的なので、面談での印象が評価に影響を与えることはゼロとも言い切れません。

面談は企業との相互理解の機会として前向きに活用しましょう。


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この記事の筆者:小寺 良二 プロフィール
ライフキャリアコンサルタント。アメリカの大学を卒業後、アクセンチュアを経てリクルートに入社し企業の採用・人材育成に携わる。2009年に独立後は、若者のキャリア支援の専門家として、大学の教員やキャリアカウンセラーに向けた研修、企業・官公庁のプロジェクト支援など多岐にわたって活動中。

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