サニージャーニー、“詐病疑い”を現役医師が徹底解説「とってもわかりやすかった」「希望がもてる内容でとても嬉しい」

すい臓がんのステージ4で闘病中のYouTuber・サニージャーニーのみずきさん。これまでも詐病疑惑が上がり、何度も否定してきましたが今回の動画では、現役のがん治療医を迎え、みずきさんの病状やがん治療の背景などを解説しました。(サムネイル画像出典:サニージャーニーInstagramより)

旅系YouTuber「sunny journey~サニージャーニー~」が6月10日、動画を更新。「いつまで経っても詐病と言われ続ける」と、詐病疑惑を完全否定するため、現役医師を招いてみずきさんの病状などを解説してもらう動画を公開しました。
 

【実際の投稿:サニージャーニー、みずきの詐病疑惑を否定】
 

現役のがん治療医がオンラインセカンドオピニオンを実施

みずきさんの詐病疑惑を巡っては、2月に配信者・コレコレさんのYouTube Liveに告発者が登場。その後、コレコレさんが直接、サニージャーニーの2人に連絡を取り、「詐病ではない」と公表していました。しかし、その後も「癌は嘘」という声が上がっており、「必死に闘病しているのに」「無視できない」と、今回の企画に至ったと言います。
 

そこで、YouTube活動もしている現役のがん治療医で宮崎県内の病院に勤務する押川勝太郎医師が、サニージャーニーの動画にリモートで登場。サニージャーニーの2人はみずきさんの主治医を経由して、押川医師に“セカンドオピニオン”を依頼したとのことです。
 

押川医師は、送られてきた書類などに目を通した結果、すい臓がんのステージ4であることは「事実」と断言。2022年11月1日と2023年5月11日のCT画像も比較検討した結果、明らかに2022年11月のCT画像に比べて2023年5月のCT画像では、すい臓と周囲のリンパ節も縮小しており、さらに診療情報提供書でも超音波内視鏡と針生検で組織を取っても「がん細胞は検出されなかった」とも書かれており、みずきさんが受けたフォルフィリノックス療法は「かなりきつい治療なんだけどもその分やはり治療成績がいい」と、解説しました。
 

疑問の声が上がった海外旅行についても言及

海外旅行についても、がん細胞の総量が多いといろんな症状が出るケースもあるものの、今回はフォルフィリノックス療法でかなりがん細胞の総量が減っており、「予期せぬ不意打ち」が起こる可能性は「かなり低い」ため、「こういった機会に海外で休暇を取るというのは、結構理にかなってるんではないか」と肯定的な意見を述べています。
 

また、押川医師は「先に知ったことに縛られる」という意味合いの「アンカリング」という言葉を皆さんに知ってほしいとも言います。「膵癌なのにこんなに元気なはずがない」「こんなに(編注:抗がん剤が)効くはずがない」「そんなに副作用が出ないはずがない」という声について、専門科がいないところでさまざまな情報を先に知ってしまうと、それにものすごく引っ張られると指摘。「癌腫が違ったら治療法も方針」も全く異なり、先に知った情報に振り回されると、効果よりも副作用に引きずられやすいということが起こると話しました。
 

50歳以下のすい臓がん患者は非常に少ない

その上で、みずきさんのフォルフィリノックス療法がなぜここまで効いたのか、副作用がなぜ少なかったのかについても言及。動画内で掲示された「日本人のすい臓がん年齢別罹患率」の図表を見ると、男女共に50歳以下の患者は非常に少なく、70~80代の患者が圧倒的に多いことが分かります。押川医師は、副作用がきついフォルフィリノックス療法の臨床試験に参加した患者の年齢は60代が多く、65歳以上の人には推奨されないことも明かしました。そうした中で、30代前半であるみずきさんは「例外的存在」であり、まだ体力もある30代ゆえに副作用も出にくく、治療に耐えられたのではないかと予測。結果的に「全体的なコンディションも良くなったということはあり得る」のはがん治療医にとっては常識だが、一般の人は分からないため「信じられない」という気持ちになったのではないかと解説しました。
 

コメント欄には「CT画像とか見せていただいて、とってもわかりやすかった」「そこまでしないといけないって、本当に悲しいし憤りを感じます」「希望がもてる内容でとても嬉しい」などさまざまな声が上がったほか、押川医師と「コラボできてよかった」というコメントも寄せられています。
 

YouTuberとしても活躍する押川医師

同日、押川医師は自身のYouTubeチャンネル「がん防災チャンネル・現役がん治療医・押川勝太郎」で今回のセカンドオピニオンに関する動画を公開し、サニージャーニーの2人もリモートで出演。押川医師は動画内で、勤務先の病院ではオンラインでのセカンドオピニオンに関する規定とシステムがないため、個人として依頼を受けたことを明かしました。
 

さらに、「がん患者の苦悩の変化」という図表を掲示し、1983年には1位が嘔吐(おうと)、2位が悪心だったものが、1993年には1位が脱毛、2位が悪心と続き、2002年になると1位は家族への影響、2位が脱毛と変化し、嘔吐や悪心がTOP10に入っていません。この背景には「吐き気止めの発展」があると言う押川医師。1983年ごろは吐き気止めが1種類しかない上に全然効かなかったとのことですが、現在のがん治療のポイントは、予防的に頓服も含めて6~7種類の吐き気止めを抗がん剤投与前に使うことで「きつい目にあわせない」治療になってきたと話します。吐き気止めを服用してもつらかったというみずきさんは、「めちゃくちゃ効いた上でそれだったんだね」と驚きをあらわにしていました。
 



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