ジャニーズ事務所=ビジネスパートナーの日本。報道に“忖度”はあると思う? 弁護士に見解を聞いた

All About編集部では「ジャニーズ事務所の性加害問題」に関するアンケート調査を実施した。この問題に対するマスメディアの報道姿勢に対し、世間はどう感じているのか。報道の自由度が世界68位の日本における現状の分析と、今後の展望について、弁護士に話を聞いた。

ジャニーズ事務所

ジャニーズ事務所の創立者で前社長の故・ジャニー喜多川氏による、所属タレントへの性加害疑惑。カウアン・オカモトさんをはじめ、同事務所に所属していたタレントが前社長からの性被害を告発したことなどをきっかけに、連日議論を呼んでいる。
 
All About編集部では「ジャニーズ事務所の性加害問題」に関するアンケート調査を実施。同調査は、全国の10〜70代の男女500人を対象に、インターネット上で行った(調査期間:2023年5月18〜22日)。
 
現在、この問題に対する各メディアの報道内容やタイミングにも注目が集まっており、SNS上でも賛否の声が上がっている。アンケート回答者による率直な意見と共に、弁護士に話を聞いた。
 

ジャニーズ事務所の性加害問題、きちんと報道されていると感じる?


「ジャニーズ事務所の性加害問題に対する各メディアの報道内容についてどう思いますか?」と聞いたところ、約70%の人が「きちんと報道されていない」と回答した。
 
その理由として最も多かったのが「メディアが事務所に忖度(そんたく)している」といった意見である。
 
テレビ各局は、同事務所社長・藤島ジュリー景子氏による謝罪動画や文書を報じたが、これに対し「世間が大騒ぎして、ようやくサラッと説明する。自社の不祥事ニュースのような扱い(52歳男性)」「謝罪動画を出したことで取り上げざるを得ない状況になり、報道されていたように感じました(40歳女性)」など、消極的な報道姿勢に批判的な意見が寄せられた。

また、「きちんと報道されている」と回答した人は、わずか9%にとどまった。
 

BBCの後追い? 報道のタイミング「遅いと感じる」が約8割


続いて、報道のタイミングについて聞くと「遅いと感じる」と回答した人は76%に上った。

その理由として「イギリスのBBCが取り上げて話題になって、ようやく日本のマスコミが報道したので本当に遅いと思います(43歳女性)」「BBCでこのことを報道した際には日本のメディアはスルーし続けていたので(40歳女性)」などのコメントが寄せられた。イギリスの公共放送BBCが、3月に元ジャニーズ事務所所属タレントらの証言を基に報道し、それに後追いする形で日本のメディアが報道したことに対して不満の声が上がっている。
 
さらに、2003年にジャニー喜多川氏の性加害を報じた『週刊文春』(文藝春秋)に対し、ジャニーズ事務所が名誉棄損を訴え敗訴した裁判に言及し、「裁判沙汰になっていた時期があるにもかかわらず、そのまま放置して今に至り、罪を犯している張本人が居ない中で被害者がこれだけ訴えてようやくというのはどう考えても遅い(47歳女性)」といったコメントも。以前から性加害疑惑があったにもかかわらず、報じてこなかったメディアに対する厳しい意見も見受けられる。


>次のページ:日本のマスメディアによる、ジャニーズ事務所=「ビジネスパートナー」への配慮

 
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