M世代の韓国エンタメウォッチャー・K-POPゆりこと、K-POPファンのZ世代編集者が韓国のアイドル事情や気になったニュースについてゆるっと本音で語る【K-POPゆりこの沼る韓国エンタメトーク】。韓国エンタメ初心者からベテランまで、これを読めば韓国エンタメに“沼る”こと間違いなし!
#17のテーマは「K-POP業界とメンタルヘルスの問題」について。2023年の春は人気アイドルの突然の訃報や、体調不良による活動中断のニュースが相次ぎました。その背景にある韓国社会の実情やK-POPアイドルを取り巻く環境について語ります。
【前回の記事(#16)はこちら】
海外メディアも“K-POP業界の闇”を報じているが……
K-POPゆりこ(以下、ゆりこ):今回のテーマはセンシティブかつ複雑な問題なので、どうしても慎重になってしまうのですが、だからといって避けては通れない話だなと感じました。
編集担当・矢野(以下、矢野):この前ゆりこさんとお話ししていたとき、ちょうどIVEのレイさんがお休みに入ったタイミングで、次はメンタルケアや健康問題について考えてみましょうかと相談していた矢先に……ASTROのメンバー、ムンビンさんの訃報が届いてしまいました。彼は僕と同い年だったのもあってショックが大きかったです。
ゆりこ:私も寝る直前にニュースを見てしまい、それから数時間は寝付けなくて……。朝起きたら「フェイクニュースでした」ってなったらいいのにと願いました。
矢野:自分と同世代の活躍している人が突然に……というのはかなり考えさせられるものがありました。日本や韓国以外の海外メディアも報じていて、改めて大きなイシューなのだと実感しています。アメリカのThe New York Timesは「韓国の大きな輸出産業であるK-POPのシステムに何か問題があるのでは?」(※1)と報じ、イギリスのBBCは韓国の若者の自殺率が高いことを指摘(※2)、ガーディアンはK-POPアイドルの過酷な育成システムに言及していましたね(※3)。
ゆりこ:いわゆる「K-POP業界の闇」みたいな内容ですよね。過去にも人気も知名度もあるK-POPアイドルの悲報は何度かありましたが、そのたびに流れるんですよ。そういった記事が。一理あるとは思う一方で、本当の原因は本人にしか分からないよな……と元も子もないことを思ったり。
矢野:確かに、本当の理由は本人にしか分からない。僕らの意見も含め、全て憶測ですから。ただK-POPを追っていると定期的に「メンバーが体調不良で活動休止」「公演不参加」というニュースを目にするのは事実でして。細かい個々の事情は知る由もないけれど、全体的に“苦しんでいる人が少なくない傾向”は否定できません。