虹と出会いやすくなる季節とは?
雨上がりの空に虹を見かけるとワクワクした気分になるものですが、冬の間はめったに見ることができません。実は虹には「トップシーズン」があるのです。虹が現れるための「2つの条件」
虹が現れる条件は、大きく分けて2つあります。1つは「空気中に雨粒などの水滴があること」、もう1つは「太陽の日差しがあること」です。
虹は太陽の光が雨粒などの空気中の水滴で屈折したり、反射したりして起きる現象ですから、雨が降ったとしても太陽の光が差し込まないと現れません。では、なぜカラフルな7色の光が現れるのでしょう?
実は、太陽の光は無色透明に見えていますが、さまざまな色が混ざり合っているのです。これらの色は波長によって、それぞれ屈折率が異なるため、太陽の光が水滴に当たって屈折するとさまざまな色に分かれて見えるようになるのです。
本格的な夏に向かって日差しが強まり、大気の状態が不安定になることが増えると、一時的に雨が降って、またすぐに晴れる「にわか雨」が起こりやすくなります。こうしたときは、水滴と太陽の日差しという2つの条件がそろうため、虹と出会えるチャンスが高まります。
「虹=7色」は当たり前じゃないってホント!?
「虹の色は何色でしょう?」と聞かれたら、「7色」と答える人が多いのではないでしょうか?
ところが、「虹=7色」はあくまでも日本の常識。虹の色といえば、アメリカやイギリスでは6色、ドイツでは5色、台湾ではなんと3色だと考えられているのです。虹の現れ方は世界のどこでも同じですが、いくつもの色がグラデーションで現れるため、国や地域、人によって捉え方が違って当然なのかもしれません。
日本人が虹を「紫、藍、青、緑、黄、橙、赤」の7色だと考えてきたのは、一説によると、万有引力の発見で有名なニュートンの考えが関係しているといわれています。ニュートンの生きた300年ほど前のヨーロッパでは、音楽と自然現象を結び付けることが大事とされていました。このため、虹と「ドレミファソラシ」の7つの音階を結び付けて7色に決めたというのです。また、7という数字が聖なる数字とされていたことも影響しているようです。この考えが江戸時代に日本に伝わって、「虹=7色」が主流となりました。
「虹の根もと」はどこにある?
空に大きく架かる虹に近づいてみたい。虹の根もとに行きたい。そんな夢を描いたことはありませんか?
虹のふもとは一体どこにあるのだろうと探してみたくなりますが、残念ながら虹の橋の始まりといえる場所は存在しません。そもそも虹は半円ではなく、本当は丸い形をしています。
虹は太陽と反対方向に見えるもので、できる位置も常に決まっています。図のように太陽と人を結んだ線に対して約42度の位置に虹は現れ、この線の延長線にある「対日点」を中心に、虹は円形をしています。地上にいる私たちに見えているのは円の一部だけなのです。
子どもから大人まで私たちを夢中にさせる虹。雨が降りやすくなる夏は、虹と出会えるチャンスが増える季節です。雨上がりに、太陽と反対側の空に目を向けて虹を探してみてください。
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