HYBEに譲れなかった理由、ライバル“NAVER”の存在
ゆりこ:「Weverse=HYBE」のイメージ、分かります。でも実はNAVERとの共同出資事業なのです。
※2社が出資するWEVERSE COMPANYが運営
矢野:じゃあ、今回のSM争奪戦でも背後にライバルの名前がチラつくHYBEには絶対負けたくなかったでしょうね。カカオのプライド的に。
ゆりこ:当初はカカオも同じようなプラットフォームを作って対抗する予定だったみたいです。SMアーティストはWeverseに参加していませんから。でも結局(カカオとSMは)プラットフォーム事業に関しては、HYBEと手を組むことになったので……正式発表を待たずとも、なんとなく察しがつく。
矢野:そこは譲ったのですね。タダでは起きないHYBEの交渉力もさすが。カカオとしても、すでに成功している既存システムに乗っかるのもコスパ良しとジャッジしたのかもしれない。イチK-POPファンとしてはプラットフォームを一元化してもらえるのはありがたいですし。
ゆりこ:同意です。もう推し活ツールを増やしたくないなぁ(笑)。今回のSM買収劇ではグループのエンタメ部門「カカオエンターテインメント(以下、カカオエンタ)」が主軸となって動いていました。カカオエンタはグループ内外のいろんな会社や組織を切り貼りして、買収したりされたりしてできた子会社です。前身は「カカオ M」という上場会社だったのですが、1度は親会社のカカオ本体に吸収されて上場廃止になってしまったのです。
矢野:(ネット検索しながら)カカオエンタの社史をググってみると、なかなかフクザツですね。
ゆりこ:でしょう。そんな中で2022年上半期にカカオエンタとして再上場を目指したのですが、複数の問題が発覚して上場延期となったんです。つまり、市場からの信頼が低下していた状態でした(※7)。
矢野:だからこそ信頼回復とエンタメ業界での存在感UPのための“強い武器”が欲しかった、ということですね。そこでSMに目をつけたと。