韓国大統領もハマる『孤独のグルメ』、絶大な人気の背景に「韓国のおひとり様の外食事情」の影響が!?

皆さんは今日、職場で同僚とランチを食べただろうか? それとも1人でのんびり味わっただろうか? どちらもいいランチタイムの過ごし方だ。だが、韓国の場合、1人で食べるという後者の選択肢はほぼない。日本以上にみんなで食べるのが良しとされる雰囲気がある。1人で食事をする環境も日本とはちょっと違う。今日は韓国のおひとり様の外食文化を見てみよう。

2023年3月16日に行われた日韓首脳会談の二次会で話題にあがったというドラマ『孤独のグルメ』(テレビ東京系)。 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の口から飛び出した意外な日本ドラマの名に日本の皆さんは驚いたかもしれない。

何を隠そうこのドラマ、韓国では絶大な人気を誇る超有名ドラマなのだ。
 

ドラマ『孤独のグルメ』で主人公の井之頭五郎を演じた松重豊さん。本作は韓国の「ソウルドラマアワード 2018」でThe Most Popular Foreign Drama of the Year(最も人気がある海外ドラマ)賞を受賞している 画像:写真:Lee Jae-Won/アフロ
ドラマ『孤独のグルメ』で主人公の井之頭五郎を演じた松重豊さん。本作は韓国の「ソウルドラマアワード 2018」でThe Most Popular Foreign Drama of the Year(最も人気がある海外ドラマ)賞を受賞している 写真:Lee Jae-Won/アフロ


日本の番組を扱うチャンネルなら、だいたいこの作品を視聴できるうえ、一日に何度も放送する媒体まである。見たかろうが見たくなかろうが、何らかの映像コンテンツを見ている限り、必ずいつかはどこかで目にすることになる。日本のドラマに関心はないけれど、このドラマなら知ってるという人もいるくらい。

だから尹錫悦大統領が日本のマニアックなドラマまで知っているほど、日本ドラマ好きというわけではないのである。でも、そうか、彼も『孤独のグルメ』に魅せられた1人だったというわけか。それは分かった。

韓国でこのドラマが人気な理由は2つある。1つは韓国ではもともと日本食の人気が高いうえ、しかも主人公・五郎が訪れる店が実在すること。日本に行く機会があるならば「行ってみたい」と思えるのだ。実際にこのドラマに登場した店を日本旅行の目的地とする人は多い。

もう1つは、五郎がおいしそうに“1人で食事を堪能する姿”が良いからだ。1人で食事をする姿が韓国の人たちの目になぜそんなにも良く映るのか。今回は韓国のおひとり様の外食事情を紹介しつつ、その「なぜ」を紐解こうと思う。
 

>次ページ:1人で食べるのは寂しい人!?
 

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • ここがヘンだよ、ニッポン企業

    「あれは全て私がやりました!」 わが社の“承認欲求モンスター”をどう扱うべきか?

  • ヒナタカの雑食系映画論

    実写ドラマ版『【推しの子】』絶賛レビュー! 齋藤飛鳥が完璧で究極の「星野アイ」だった理由

  • 世界を知れば日本が見える

    「民主主義の崩壊」兵庫県知事選、なぜ“陰謀論”が広まったのか。日本が「選挙×SNS」を対策できないワケ

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    静岡の名所をぐるり。東海道新幹線と在来線で巡る、「富士山」絶景ビュースポットの旅