韓国大統領もハマる『孤独のグルメ』、絶大な人気の背景に「韓国のおひとり様の外食事情」の影響が!?

皆さんは今日、職場で同僚とランチを食べただろうか? それとも1人でのんびり味わっただろうか? どちらもいいランチタイムの過ごし方だ。だが、韓国の場合、1人で食べるという後者の選択肢はほぼない。日本以上にみんなで食べるのが良しとされる雰囲気がある。1人で食事をする環境も日本とはちょっと違う。今日は韓国のおひとり様の外食文化を見てみよう。

おひとり様には向かない食堂

もう1つは、おひとり様向けの食べ物も場所もあまりない。
 

韓国のおひとり様の外食事情


まず、日本のようにコンビニの食べ物が充実していない。おにぎり、サンドウィッチ、キンパ、弁当など売られてはいるが、日本のそれと比較すると、そのクオリティははっきり言ってイマイチだ。弁当も種類が乏しいうえに、購入する人もさほど多いわけではないので、棚に置いてある個数自体が少ない。コンビニによってはそもそも弁当を取り扱っていない店舗すらある。

コロナ禍で1人で食事をする人が増えたことにより、コンビニ弁当の種類も以前と比べると増えたものの、商品展開の程度はコンビニごとに大きく異なる。
 
ならば、菓子パンがあるじゃないか。もちろん、菓子パンだって売っている。でも、公園のベンチに座って1人でパンを食べているサラリーマンを韓国ではほとんど見かけない。公園で1人で食事をしていたらちょっと怪しい人になってしまう。韓国で公園というのは、ぼっちのためにあるランチタイムの安全避難地帯ではない。そうやって考えると、1人で過ごす場所自体がないのだ。
 
おひとり様が気楽に入れるような食堂も少ない。これは韓国の「食事はみんなで」文化の影響でも韓国料理のスタイルでもあるのだが、日本のラーメン屋やうどん屋、定食屋など、1人用の席が用意されていたり、あるいはあらかじめおひとり様を対象にしていたりするような食堂が少ない。

そんななか、キンパ、とんかつ、オムライス、ビビンバ、キムチチゲ……いろいろな1人前の料理を比較的低価格で提供する粉飾(ブンシク)店というジャンルの庶民派食堂がある。これは個人経営の店から、全国的にチェーン展開している店までさまざま。いずれにせよ、おひとり様が堂々と入れる数少ない類の食堂だ。

しかし、そこですら食事の時間帯ともなると客であふれ、席の取り合いとなる。そんななか、2人用の席を1人で占めるわけにはいかず、結局1人では入りにくい雰囲気になる。行き場がない。
 

>次ページ:食堂で注文できるメニューも「おひとり様」向けではない……
 

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