開発競争で後れを取ったGoogle
対話型AIにおいて先行するChatGPTは、Microsoftにより投資を受け、ブラウザや検索エンジンに統合されるなど存在感を示しており、Googleは開発競争で後れを取ったといえます。
MicrosoftによるChatGPTの導入に関して、以下記事をご参照ください。
参考:「ChatGPT」のAI技術を統合! マイクロソフトの新「Bing」「Edge」はどんなもの?
この背景には、対話型AIに対するGoogleの慎重な姿勢があります。Bardの基盤技術に当たるLaMDAは2021年に発表され、2022年には第2世代が披露されています。しかしこれまで一般公開はされていませんでした。
要因として、Googleは責任あるAIの活用をポリシーとして掲げており、信頼性、プライバシー、セキュリティなどのさまざまなリスクが顕在化しないように慎重に取り組んでいたことが考えられます。
実のところ、対話型AIは人間と自然なやり取りを行いますが、大量のテキストデータを組み合わせてもっともらしい回答を作るだけで、その内容は必ずしも正しいとは限りません。実際に前述の「ジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡の新発見について、9歳の子どもに教えてあげられることはありますか?」という質問へのBardの回答に対し、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのGrant Tremblay氏が誤りをツイートで指摘しました。
Googleはもはや一企業の枠を超え、社会的インフラとしての役割を果たしています。大企業であるGoogleが慎重にことを進めている間に、ChatGPTのようなベンチャー的な発想とフットワークの軽さを持ったサービスが先行したと言えます。
対話型AIによって社会はどう変わる?
Googleの本格参入によって、対話型AIはさらに進化し、私たちの社会に浸透していくことが予想されます。社会はどのように変わっていくのでしょうか? ChatGPTからの回答でこの記事を終わりたいと思います。
福田 正人 プロフィール
ソーシャルメディアやアプリを活用したインターネットサービスについて執筆。海外ニュースの翻訳も行う。
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