教育費も値上がり続き
銭湯からの帰り道、携帯電話が鳴った。娘の音楽の塾の先生からだった。「お母さんどうしましょう~。来月から授業料が14万ウォン(1万4465円)になるんです~」「どうしましょうはこっちのセリフ……」と言いたいのはぐっと我慢。辞めないなら払うしかなかろう。
その塾はそれまで1週間に1回25分授業で1カ月12万ウォン(1万2398円)の授業料だった。つまり一気に2万ウォン(2066円)もの値上がりだ。ここ数年子どもの塾の授業料は1万ウォン(1033円)単位でどこも少しづつ値上げが続いていた。だから授業料引き上げ自体には驚かないが、一気に2万ウォンの大幅引き上げにはさすがにたまげた。
注意深く読んでくれている読者はそもそも本来の授業料が高いことに驚かれたと思うが、韓国の塾授業料は日本のそれ以上に高い。ピアノ、水泳、バレエ、学習塾、韓国にもいろいろとあるが、どれも基本的に日本と同授業時間、同授業回数で比較すると授業料は少なく見積もっても日本の2倍は高額だ。それがさらに値上がりしているのだからいかほどかご想像いただけるのではなかろうか。
韓国統計庁によると、韓国の2022年の合計特殊出生率は「0.78」とOECD加盟国の中でも最低だったそうで(※1)、その要因は不動産の高騰、就職難などさまざまだ。とはいえ、その数字に思わず納得しながら筆者、ぼそりと呟いたのであった。「なんせこれだけ子どもの養育費がかかっちゃあなあ!」
日本も値上がりが続いていると思うが、韓国も同様。値上げ。値上げ。値上げ! 値上げうんざりは日韓の国民共通の頭痛の種である。
※レートは2023年2月20日時点
参考
※1:聯合ニュース 2023年2月22日
松田カノンプロフィール
翻訳家・カルチャーライター。在韓16年目、現地のリアルな情報をもとに韓国文化や観光に関する取材・執筆、コンテンツ監修など幅広くこなす。著書に 『ソウルまるごとお土産ガイド(産業編集センター)』などがある。All About 韓国ガイド。
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